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2011/09/02

電力会社の「住民監視」

この夏の間にいくつかの原発本を読んだ。それも20-30年ほど前に書かれた古い著書ばかりだ。
その一つに柴野徹夫著「原発のある風景」がある。
およそ30年前に出版されたこの本は、いわゆる原発ジプシーを丹念に追った優れたルポルタージュである。
いま話題になっている電力会社のヤラセについても詳細な手口が紹介されており、その当時から各電力会社は住民説明会や公聴会に対して動員をかけ、賛成意見を組織化し、反対意見を潰してきたことが良く分かる。
勿論、バックには政府機関がついていた。

この著作の中で驚かされたのは、原発立地の地域での電力会社による住民監視の実態だ。
東電なら"T-CIA"(関西電力なら"K-CIA")と密かによばれていた、社長室直轄の「広域地域対策室」という部署があり、そこには原発立地地域の全ての住民の個人情報がデータ化されていることが明らかにされている。
その中味が以下の通りスゴイのだ。
・購読紙・誌
・資産
・家族構成
・学歴
・病歴
・犯歴
・所属団体
・支持政党
・思想傾向
・性格
まで詳細に記録されている。
こんなデータが一企業では分かる筈はなく、電力会社に天下った警察関係者を通して入手したものと推定される。
むろん不正行為であるが、そこは抜かりなく「職警連」とよばれる会合を作り、電力会社及び原発関連企業と警察とが定期的に情報交換していた。これなら「防犯」という大義名分が立つというわけだ。
その他に「長会」という会合があり、そこには電力会社の息のかかった地元の「長」、教育長、学校長、病院長、消防団長、郵便局長、自治会長、老人会長、婦人会長、青年団長、同窓会長、郷土防衛班長・・・などなどなどが集まり、情報交換を行う。こういう事に地元対策費が使われたのだろう。
まるで戦時中の日本や、スターリン治政下のソ連や東欧のような行為が、原発立地地域では行われていたということだ。
こんな事までしなくてはならなかった原発建設というのは、一体なんだったのだろうと思わざるを得ない。

ふと思ったのは、米国CIAの手先になって日本の原発を推進した正力松太郎(元読売新聞社主)のことだ。元々は警察官僚で、共産党狩りを指揮していた人物だ。
電力会社による住民監視の手口に、正力のDNAを感じてしまう。

業界紙である「電力新聞」には、かつてこんな記事が載っていたそうだ。
「国策の原子力開発に反対する奴は、犯罪人扱いする位の、国家安全保障意識があってもいい。」
つまり彼らにとっては、反原発を主張する人間は非国民なのだ。
恐ろしいことである。

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