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2011/10/19

「大王・前会長」と「左官・長兵衛」

大王製紙の井川意高前会長(47)が複数の子会社から無担保で80億円以上を借り入れていた問題で新たに22億円の借り入れも発覚した。
井川氏は大王製紙の創業者の孫にあたり、87年に東大法学部卒業後、大王製紙に入社。98年から副社長、07年に42歳の若さで社長。
11年に赤字転落の責任を取る形で社長を辞任し会長に退いていたが、エリート中のエリートだ。
在任中の仕事ぶりについては「謙虚で熱心」という評判だったようで、社長就任時には「末端に至るまで、本当の意味でモラルの高い会社にしていかなければならない。」と、社員にモラルを説いていた。
一体この人物が何に100億円もの金をつぎこみ、なぜ今なおその使い道に口を閉ざしているのか明らかでないが、ラスベガスの個人口座にも十数億円が振り込まれていたことや、マカオのカジノに出入りしていたという証言などから、借入金がカジノなどのギャンブルに充てられていた可能性が高いと見られている。
人間というのは不思議なものだ。

さてここで落語の「文七元結」の主人公である左官・長兵衛だが、名人と言われる腕を持ちながら博打にのめりこみ、50両と言う借金を抱えて火の車、遂には一人娘・お久を吉原に預けたカタに50両を借り受ける羽目になる。
「へっつい幽霊」という噺では、幽霊に化けて出てまで丁半博打する男の姿が描かれている。

井川意高前会長と長兵衛親方に共通するのは、おそらく「ギャンブル依存症」ではなかろうか。
ギャンブルによって得られる精神的高揚に強く囚われ、自らの意思でやめることができなくなった状態を指し、強迫的にギャンブルを繰り返す精神疾患とされる。
つまり病気なのだ。
この病気の特徴としては、「症状が進むとギャンブルで出来た借金をギャンブルで勝つことにより清算しようとするなど、合理的では無い考えを抱き実行したりと言う問題行動が繰り返される。」とある。
まさに二人にピッタリだ。
周囲が早く気づき精神科などの治療を受けされば良いのだが、なかなか気づかれにくいという厄介な病でもある。
だから前記「文七」の中でも、吉原の大店「佐野槌」の女将が長兵衛に、博打は「骨が舎利になるまで」やめられないものだと、懇々と説教するのだ。

東京と大阪で公営カジノを開設しようと提案しているバカな知事がいるが、現在でも推定200万人とされている「ギャンブル依存症」患者を、さらに増やすだけだ。

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