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2011/10/29

「ノーズロ」とは又、古風な

10月26日の衆院内閣委員会での山岡賢次国家公安委員長が、「スマートフォンはノーズロ状態になっている」と答弁したことが品位を欠くとして問題になっている。
「ノーズロ」は「ノー・ズロース」の略で、無防備という意味で使われていたことがあったが、今はもう死語だ(仄聞だが、ゴルフで使用されていたことがあるそうで、そちらの方は分からないが)。
「ズロース」という言葉さえ通じなくなった昨今、山岡という大臣の言語感覚を疑ってしまう。
恐らくは50代以上の人でないと意味が分からないと思われるが、今でいうショーツのような女性の下着で、「下穿き」とも呼ばれていた。

かつて、寄席でこんな小咄があった。
子「お母さん、鼻は英語でなんていうの?」
母「ノーズよ」
子「じゃあ、バラは?」
母「それはローズ」
子「続けて言ってみて」
母「ノーズロース、って、まあ嫌な子だよ」
というわけで、当時は人口に膾炙していたわけだ。

昭和の初めごろまで、女性の下着は腰巻だけで、その下にはなにも着けていなかった(確認はしてないが)。
ズロースが普及したのには、有名なエピソードがある。
昭和7年(1932)の12月、日本橋の白木屋百貨店で火事が起きた。
慌てて逃げ出した和服の女店員たちが窓からロープで脱出しようとした。
処が当時の女性は下着をつけていなかったため、裾がまくれ恥ずかしさに身づくろいをした途端、両手がお留守になってロープを放してしまい、女店員たちは真っ逆さまに転落死してしまった。
これが日本でズロースが広まったきっかけとなったという分けだ。
どうやらこれは真っ赤な偽りで、そんな事実は無かったようだ。
女性の服装が和服から洋装に変わってきたのに伴いズロースが普及したというのが真相なのだろう。

ついでにもう一つ、これも昭和初期の浅草で、レビューの舞台に出ていた踊り子の一人がズロースを落としてしまったという噂が広まった。
これを聞いた男たちが大勢押しかけてきて、劇場は連日満員になったとのこと。
こちらも後日談ではウソだったそうだ。

いずれも、そういう事があったらいいなという男性の願望が生み出したものだろう。
「ノーズロ」というと何か淫靡な響きがあるが、これが「ノーパン」になると途端にサバサバとした印象になる。前者にある女性の奥ゆかしさが、後者では消え去ってしまったからと思うのは私だけだろうか。
「見せパン」などとわざわざ見せられると、有難味が感じられなくなってしまう。

昔、美人は絶対にズロースを穿かなかったそうだ。
「美人薄命(穿くめぇ)」。
ご退屈さま。

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コメント

シミチョロ、も死語ですね。
もっとも現象的にはあたり前のようにレースが見えるフアッションになってますが。
あれはシミーズではないか。

佐平次様
乳バンドなんてぇのも死語です。
してみると女性に関するものに死語が多いんでしょうか。
純潔、貞操、乙女なども死語になりつつありますし。

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