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2011/12/25

#10大手町落語会「落・芸会」(2011/12/24)

12月24日のクリスマス・イヴをこんな形で祝うには世界中で日本だけらしい。
キリストが12月25日に生まれたことになっているが、ギリシア正教会は1月6日、アルメニア教会は1月18日を誕生日としている。真相は不明なのだ。
聖書のルカ伝には有名な羊飼いのエピソードが書かれているが、パレスチナ地方では羊を夜間外へ出すのは春から秋までの期間であり、ルカの記述が正しいとすればキリストは暖かい季節に生まれたことになる。矛盾もいいとこだ。
それをキリスト教徒でもない人間が祝うのだから土台ムチャクチャな話なのだ。
この分ではいずれユダヤ教の「過ぎ越しの祭り」やイスラム教の「ラマダン(断食)」の祝いなんてぇのも日本に入ってくるかも知れない。そっちの方はダイエットに有効だから女性に受けるかも知れませんぜ。

その聖夜(カップルがホテルで迎えれば「性夜」)の大手町日経ホールで開かれた第10回大手町落語会「落・芸会」へ。
「落協、芸協の大御所4名を迎えて」との触れ込み。さて・・・。

<  番組  >
前座・桂宮冶「元犬」
昔昔亭桃太郎「善哉公社」
柳家さん喬「掛取り万歳」
~仲入り~
瀧川鯉昇「時そば」
柳家権太楼「芝浜」

前座の宮冶「元犬」、来春二ツ目に昇進とか、芸協に楽しみな新人が現れた。
先ず顔がいい、芸人の顔をしている。愛嬌があって明るいのがいい。
芸は後から付いてくるが、愛嬌はなかなか後からは付いてこないものだ。
落語家ってぇのは、先ず人を楽しませなくっちゃあ。
噺も笑わせどこはしっかりと押さえていて、良かった。

桃太郎は十八番の「善哉公社」、独特のリズム感がクセになりそうな魅力がある。マクラで大手町の駅で転んだという話と、ラジオの演芸番組で正月のトリを取るという話をしていたが、長い時間をかけても飽きさせないのは流石といえる。
善哉を食べにきた客が窓口をグルグルとたらい回しさせられても怒り出さない演出もいい。

さん喬「掛取り万歳」、珍しく義太夫や三河万歳まで入れたフルバージョンの「掛取り」。さん喬の素養の広さを示す1席となったが、何かが足りない。それは噺の流れだ。
例えていうならフィギュアスケートでジャンプやスピンなど個別の演技は優れていても、間のスケーティングが良く滑れていないとでも。

鯉昇「時そば」、改作の爆笑編。最初のソバ屋の好物が「ココナッツ」、後のソバ屋の好物が「蜜」とか、ソバ屋の屋号が「ベートーベン」とか、アイディア満載。
このネタを選んだのは落協の重鎮二人への当てつけか。
相手が直球勝負なら、こっちは変化球で惑わそうと。
とにかく客席は大喜びだった。

権太楼「芝浜」、何だかやたら肩に力の入った高座だった。
野球でいえば、下半身を使わず上半身だけでバットを振りまわしているから、ボールが的確に捕えられない、そんな印象だった。
先代馬生の型だといっていたが、魚屋の名前が「熊」だったり、女房が二度目に起こすのは翌朝ではなかったり、三年後に店を持つという設定もないなど、他の「芝浜」とは異なる演出には興味を惹かれたが、演者の熱演が空回りしていた。
一口でいえば気負い過ぎだったように思う。

先代・小さん門下vs.柳昇門下の対決の形となったこの日の会だが、芸協の良さが目立った。

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コメント

R列にいましたよ^^。
たしかに芸協の勝ちかもしれないですね。
さん喬はちょっとおかしかったようなきがします。

佐平次様
あっしは前方に、しかもご婦人連れ、ってったって古女房ですが。
さん喬、権太楼、二人そろって不出来という珍しい会で、今年の歳納めとなりました。

鯉昇版「時そば」は、蕎麦屋の屋号「ベートーベン」が最初は何やらわからず、後になってそうくるか、となるんですよね。

鯉昇の魅力はアナウンサーばりの美声と落ち着いた語りにあると思います。

福様
この二日前にきいた小満んの「時そば」とは対照的な鯉昇の高座でしたが、それぞれに結構でした。
こうした辺りがやはり古典の魅力なのでしょう。
マクラではいかにも脱力感を訴えながら、本題に入ると俄然熱演するというのも特長ですね。

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