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2011/12/11

鈴本演芸場12月上席夜の部・楽日(2011/12/10)

12月10日は鈴本演芸場夜の部の楽日に出向く。9部位の入りのようだった。
お目立ては、もちろんトリ。

前座・林家まめ平「真田小僧」
<  番組  >
古今亭志ん吉「饅頭こわい」
伊藤夢葉「奇術」
蜃気楼龍玉「道灌」
入船亭扇遊「棒鱈」
大瀬ゆめじ・うたじ「漫才」
桂南喬「垂乳根」
桃月庵白酒「転宅」
-仲入り-
柳家紫文「俗曲」
柳家はん治「ぼやき居酒屋」
林家正楽「紙切り」
五街道雲助「夜鷹そば屋」

まめ平「真田小僧」、志ん吉「饅頭こわい」、二人とも喋りはしっかりしていたし、真っ直ぐな高座で好感が持てる。ただ緊張しているのか表情も動きも固く、それが客席に反映していたようだ。
こうなると不思議なもので、笑い声をあげるのが周囲に憚れるような気分になり、場内は弁当を開く音しか聞こえない。
決して不出来じゃなかったので、お二人ともがっかりしないように。
こういう硬さをほぐすのは、やはり色物だ。
夢葉のインチキっぽい「奇術」でようやく場内がなれてきた。
龍玉「道灌」、おや、今日は前座噺が続くねぇ。話はしっかりしているが、もっと愛嬌が欲しいところだ。
扇遊「棒鱈」でようやく場内が沸く。ここで雰囲気をガラリと変えたのはさすがだ。
この田舎侍、おそらく薩長あたりの出身と見えるが時々東北訛りが混じり、国籍不明。
ゆめじ・うたじ「漫才」、久しぶりだが、ゆめじさんの方だろうか、随分と痩せてしまった。病気と聞いていたが少し心配になる。でも高座はいつも通り。
南喬「垂乳根」、この人を見ると寄席に来た実感がわく。嫁さんの挨拶がいつも聴いているよりずっと長く、あれじゃ八っつぁんも困るだろう。
短い時間に常にキッチリまとめ上げる芸には感心する。
白酒は十八番の「転宅」。
このネタを聴くのも何回目かになるが、毎回少しずつ変えているのに感心する。本人が全く同じものを演りたくないせいなのか、それとも工夫の積み重ねなのか。
白酒の演じる女性は実に色っぽい。どこで「女性修行」をしてきたんだろうか。

紫文「俗曲」、想像だが若いころは良い声をしていたんだろうが、何かの原因で喉をつぶしてしまい、今のようなガラガラ声になったのではなかろうか。音曲師としては致命的になりかねないわけで、そこで「火付盗賊改方の長谷川平蔵が、何時ものように両国橋の袂を歩いておりますと…」の芸に辿りついた。そうとしか思えない。
はん治は軽く「ぼやき居酒屋」を。
正楽「紙切り」、「皆既月食」のリクエストを見事に切った。
そうか思い出した、正楽は三代見てるんだ。歳を取るわけだ。

雲助「夜鷹そば屋」は初見。
ストーリーは。
夜鷹そば屋の老夫婦がそろそろ店をたたもうとした頃に、一人の若い男が来て蕎麦を注文する。朝から何も食べていないからと3杯お代わりして、実は文無しなので番所に突きだしてくれと夫婦に頼む。
若者にそばの荷を担がせて自宅に招きいれ、子どものいない夫婦が小遣いを渡して「おとっつぁん」「おっかさん」と呼ばす。
それを繰り返すうちに本当の親子のような情が湧き、若者はそば屋を手伝う決心をする。
物語りはあっけないほど淡々としていて、何も起こるわけではない。
場内が水を打ったように静まり返り聴き入っていたのは、ただひとつ雲助の話芸の力だけ。
雲助しか出来ない芸当だ。

雲助・白酒の師弟、恐るべし。

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コメント

上席はここと池袋がよかったんですね。
帯状疱疹で自重しました、無念。

佐平次様
トリが雲助、中トリが白酒、これじゃ行かざぁなるめぇというわけでやはり正解でした。
今はとにかく病を治すことが先決です。

龍玉の「話はしっかりしている」というお話、道灌いや、同感です。「鹿政談」なども上手い。
雲助一門盛りなり、ですね。

福様
雲助一門は珍しく全員が真打で、やはり師匠の指導宜しきを得てのことでしょう。
全員が亭号が異なるというのも、この一門だけです。
龍玉はこれから伸びる噺家だと思います。

五街道雲助の「夜鷹そば屋」は
五代目古今亭今輔の「ラーメン屋」が素になって入るみたいですね。
今輔の高座の時も満場寂として声もなしでした。

立花様
ああそうでしたか、確かに「ラーメン屋」ですね。
五代目古今亭今輔の高座は「お婆さん」モノしか観ておらず、残念ながら「ラーメン屋」のライブには接しておりません。
当時は凄い人気でした。

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