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2011/12/18

#17三田落語会「喜多八・白酒」(2011/12/17昼)

第17回三田落語会昼の部は「喜多八・白酒 二人会」で、師走の17日、仏教伝道センタービルで行われた。
近ごろではこの会は常に前売り完売のようだ。開場10分前に配布となる次回落語会前売りチケットの整理券を求める列は長くなる一方で、なにか工夫が必要かもしれない。
それだけ主催者の企画がしっかりしている証拠でもある。

<  番組  >
前座・古今亭半輔「垂乳根」
桃月庵白酒「甲府い」
柳家喜多八「味噌蔵」
~仲入り~
柳家喜多八「夢の酒」
桃月庵白酒「宿屋の仇討ち」

喜多八はしばらく入院していたそうで、数日前に退院したばかりとのこと。病気全快の高座ということになる。
体重が10㎏落ちたと言っていたが、確かに痩せていた。共演者が白酒だけに余計目立つ。
その喜多八の1席目「味噌蔵」、病気明けとは思えないほど元気な高座姿に安心した。
マクラで入院の感想にふれ、大部屋より二人部屋の方が気を遣うと言っていたが、その通り。病院食の不味さも語っていたが、あれは治療食だから仕方がない。美味いものなど食わしていたら良くならない。
さて「味噌蔵」だが、喜多八は鯉昇から教わったと言っていた。鯉昇の高座を聴いていないので何ともいえないが、内容は完全に師匠・小三冶の演出を踏襲しているように思えた。口演時間も師匠とほほ同じで、ケチな主人の留守に奉公人が大騒ぎする場面では喜多八らしい「一人キチガイ」ぶりも発揮して面白く仕上げていた。
ただ主人が出かける際に小僧に提灯を持っていかせるのをカットしていたが、あれは後半の伏線になるので省けない。
それと好みの問題ではあるが、半分程度の時間で演じた八代目可楽のリズム感が懐かしい。志ん生のSP録音ではこのネタを6分で演じているが、それでも十分面白い。
30-40分もかけるネタではないというのが私の主張である。

喜多八の2席目「夢の酒」は軽く、ほぼ八代目文楽の演出通り。
夢の中で美女にもてる時の若旦那の嬉しそうな表情がいかにも好色そうで、あれでは嫁さんが嫉妬するのも無理ないと思わせる。

白酒の1席目「甲府い」、マクラでお約束の病み上がりの喜多八をいじった後、本題へ。理不尽な前座修行のよってねじ曲がった芸人が形成されるというのもこの人らしい解釈だし、師匠より御上さんに可愛がられる方が大事というのは実感からか。
「甲府い」、八代目柳枝が得意としていたが、どうも修身の教科書のようなストーリーで好きになれなかった。見直したのは志ん朝のもので、こういう爽やかなネタも良いもんだと初めて思った。
ほぼ志ん朝の演出に沿った、白酒にしては珍しい位真っ直ぐな高座で、こういう演目でも聴かせる手腕に感心した。

白酒の2席目「宿屋の仇討ち」、マクラで小三冶をいじって本題へ。女性客が増えるのは有り難いと言っていたが、そうなのだろう。観光地でも女性を集めれば自然と男が付いてくると聞いたことがある。湯布院なぞもその典型だ。
ネタに入っていつも通りの快調なテンポで、江戸っ子がドンチャン騒ぎする場面ではジングルベルを唄わせたり、角力を取る場面では白鵬と輪島を対戦させたりと、遊び心タップリの高座だった。
1席目とのバランスを考慮したものとみえる。

何はともあれ、喜多八の元気な姿が見られたのが最大の収穫。

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