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2011/12/08

「芸術祭受賞者公演」(2011/12/7)

12月7日、横浜にぎわい座有名会「芸術祭受賞者公演」へ。
ここ数年に演芸部門で受賞した芸人を集めた企画で、落語4本漫才2本という組み合わせ。
平日の昼間とはいえ、この顔ぶれにしては入りが少ない。

前座・春風亭吉好「子ほめ」
<  番組  >【()内は受賞歴】
春風亭一之輔「唖の釣り」(22年度新人賞)
東京太・ゆめ子「漫才」(22年度大賞)
桂小南冶「河豚鍋」(22年度優秀賞)
~仲入り~
桂平治「饅頭こわい」(21年度新人賞)
ロケット団「漫才」(18年度新人賞)
五街道雲助「芝浜」(21年度優秀賞)

結論からいうと、久々に笑い転げた、面白かった。
この日来た人は幸せで、来られなかった人は残念でした。

一之輔「唖の釣り」、「真打」の掛け声とともに高座に、軽く挨拶してネタへ。
落語では二人で会話する場面が多いが、殆んど漫才でいうボケとツッコミの関係になっている。この両者の会話の「間」の取り方(時には外し方)が一之輔は絶妙で、これはもう天性という他に言いようがない。
このネタは3日前に吉弥の高座(上方のタイトルは「昆陽の御池」)で聴いたばかりだが、こちらの方が断然面白かったのはそのためだ。
一之輔の独演会のチラシに「本格派で型破り」とあったが、その「破り方」の程も良い。「三白時代」に迫るのは、この人しかおるまい。

東京太・ゆめ子は初見、といっても人気漫才だった京二・京太コンビ時代の高座は観ているが。
東京でも数少ない夫婦漫才で近ごろでは珍しくユッタリとした会話のテンポなのは、師匠である松鶴家千代若・千代菊の芸風を受け継いだものだろう。ネタの始めと終わりのフレーズ「母ちゃん、もう帰ろうよ!」も師匠譲りだ。
駄洒落の連発と、「そうなんですよ」を繰り返す京太のボケぶりで会場を沸かす。
こうした漫才が未だ健在でしかも評価されているというのは嬉しいことだ。

小南冶「河豚鍋」、こちらも初見。どこかで見たような顔だと思っていたら、紙切りの先代・正楽の息子さんだった。父親にそっくりで、実弟の二楽にはあまり似ていない。
愛嬌と独特のイントネーションは師匠・小南譲りだ。
「河豚は食いたし命は惜しし」という旦那と幇間の会話の妙と、塩辛・河豚・豆腐・ネギなどの食べ分けに、この人の芸の深さを感じる。

平治「饅頭こわい」、来秋11代目を継ぐ師匠・10代目文治の思い出をマクラに。私もこの襲名は楽しみにしている。というのは9代目の留さん文治を観ているので、来年にこの人の高座を観ると三代の文治に出会うことになるからだ。何しろ文治といえば東西落語界にまたがる大名跡なので責任は重大なのだ。
お馴染みのネタを楽しく聴かせてくれたが、ひとつ気になったのは、好きなモノを言わせた後に嫌いなモノと言っていたが、あれは「こわいモノ」の誤りではなかろうか。途中から「嫌い」→「こわい」と言い換えていたようだが、ネタのタイトルに係わるだけにこうしたミスは避けたい。
今ひとつ垢抜けない芸風だが、これも平治の魅力ではある。

ロケット団については言うまでも無いだろう。
東京の漫才が全体にレベルが上がり面白くなってきたのは喜ばしい。

雲助「芝浜」、魚屋の女房の姿勢が初めから終わりまで一切変わらない。右手を膝に置き変化は左手の先だけ。ああ、この噺は女房が主人公なんだと気付かされる。亭主も周りの人物も、この女房の掌の上で動いているにすぎない。
雲助のセリフの「間」は落語のそれではなく芝居の「間」だ。つまり観客はこの高座を芝居として見せられているわけだ。それなら財布を拾ったのを夢だと信じるのは不自然だのというような事は、どうでも良くなる。私たちもこの物語の中の一員なのである。
雲助の至芸ともいうべき高座だった。

ね、やっぱりこの日見られなかった人は残念でしょ。

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コメント

残念ですよ!ちえっ!^^。

投稿: 佐平次 | 2011/12/08 10:40

気になっていた会なのですが、都合で行けなかったのが、残念!
一之輔、実力発揮だったようで、推してきた者として、うれしいです。
「三白一兼」ですね^^

投稿: 小言幸兵衛 | 2011/12/08 21:51

佐平次様
国立の上席にしようか迷ったんですが、こちらを選んで正解だったと思います。

投稿: home-9(ほめ・く) | 2011/12/08 23:11

小言幸兵衛様
この会、珍しく落協と芸協の人数が同じだったんです。芸協の人たちも頑張っているんだなと改めて思いました。
一之輔は快調なテンポの高座を見せてくれました。このネタに関しては吉弥より上です。まだまだ伸びしろのある人なので、来年も楽しみです。

投稿: home-9(ほめ・く) | 2011/12/08 23:38

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