「指定席の膝送り」って、どうでしょう
「膝送り」(意味)座ったままで順にひざをずらして席をつめること。
昔の寄席は畳敷きが多く、座布団にすわって聴いていた。最初のうちはバラバラでいるが混んでくると係員から「お膝送り願います」と声がかかり、客は前から順に席をつめていた。
寄席の多くが椅子席になった今では、末広亭の桟敷席でしかこうした光景が見られなくなったと思っていたら、先日池袋演芸場でこの「お膝送り願います」の声を久々に聞いた。
空席めがけて客が座りに行くのではなく、座っている人が前方あるいは中央部に向けて席をずらしておいて、空いた所に座る方が合理的ではある。
演劇やコンサートだけではなく、落語の世界でも定席以外のホール寄席や独演会の大半が指定席になっている。
クラシック・コンサートでは開演中の入場を禁止する例も多いが、芝居や寄席では途中入場が認められているのが一般的だ。
ただ大事なシーンで遅れてきた客が入り込んでくると、時に興がそがれる。
先日も観劇の最中、木製の階段をカツカツと大きな靴音を響かせながら前方の席に座った女性客がいて腹が立った。
交通事情などで本人の責任に帰しえない理由で遅刻する場合もあり、一律に入場禁止にするわけにもいかない。
そこで提案だが、指定席であっても開演直前に「膝送り」したらどうだろうか。
例えば、開演5分前になったら既に着席していた客に「膝送り」を促す。後ろの人は前に脇の人は中央へ向かって、それぞれに席を移動して貰う。
席を移りたくない人はそのまま所定の席に着いていても良い。
遅れて来た人は空いた席に座るようにすれば、開演中の客席にさほど迷惑を掛けずに済むし、後から来た人も気兼ねなく着席できるのではなかろうか。
ヨーロッパの公演では既にこうした方法が行われていると聞く。
最初は戸惑いもあるだろうが、慣習化すればスムースに行くと思う。
もっとも落語の場合は、途中からの人は後ろで立ち見をして貰い、出演者の入れ替えの時に着席すれば良いのでは。
検討の余地があると思うが、いかがだろうか。
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