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2012/03/25

桂まん我「三十石・通し」(2012/3/24)

桂まん我・長講「三十石夢の通い路」が3月24日、内幸町ホールで行われた。まん我は文我の弟子で「平成23年度NHK新人演芸大賞」を受賞しているが、当方は初見。
大阪の若手落語家が上方落語の大ネタ中の大ネタに挑戦ということで出向く。
ゲストは白酒だったが、今週4度目。と言っても別に追っかけやストーカーじゃありません、単なるめぐりあわせなので為念。

<  番組  >
桂二乗「阿弥陀池(あみだがいけ)」
桂まん我「幇間腹(たいこばら)」
桃月庵白酒「松曳き」
~中入~
桂まん我「三十石夢の通い路」

二乗「阿弥陀池」、芸名の由来は京都の二条に住んでいるからとか。
このネタ、東京では先代・昔々亭桃太郎が改作した「新聞記事」でお馴染み。
先代の桃太郎、一度だけ高座を観たことがあるが上手い人だった。第一声が「桃太郎さんでございます」。戦前はすごい人気者だったそうだが、なぜか戦後は不遇で今ではすっかり忘れ去られた噺家になってしまった。
新聞記事の方は「天麩羅屋の竹さん」だが、こちらは「阿弥陀池の尼さん」と「米屋」。時代設定は古いが話としてはやはりオリジナルの方が良く出来ている。
二乗の高座はやや力が入っていたような感じで、もっと軽く演じるネタではなかろうか。

まん我の1席目「幇間腹」、これも東京落語でお馴染みだが、オリジナルは上方。
東京版では若旦那が幇間の腹に針を刺す時に痛がって針が折れるということになるが、上方版は針は刺せるのだが抜けなくなり、無理して抜くと腹の皮が破れるという設定だ。
オリジナルの方がリアルではあるが、それだけに聴いている側が「痛い」。
まん我のタイコモチの演技は良かったが、後味の悪さが残ってしまった感がある。

白酒「松曳き」、いうまでもなく十八番中の十八番。
今回で3度目だと思うが、毎回細部を少し変えている。今度はここを変えたなという発見も楽しみのひとつで、もしかすると白酒のサービス精神なのか。
終盤に立て続けにカンダのが惜しまれるが、客席は終始爆笑。ゲストながらこの会の笑いを一人でさらってしまった。

まん我の2席目「三十石夢の通い路」。
結論からいうと、あまり良い出来だったとは思えない。
理由は本人の「さあ、演るぞ」という気負いというか意気込みが伝わってきて、客席にも緊張感が漂ってしまった。
それとネタが完全に入っていないのか、言葉を言い淀んだり言い間違えたりする箇所が少なくなく、全体のリズムを損ねていた。
この演目は当方が日頃から桂米朝と三遊亭圓生のCDや桂枝雀のDVDを愛聴していて、それが頭に残っているものだから、どうしても点数が辛くなってしまうきらいはある。
そのことを差し引いても、まだまだ完成度に不満が残る高座だった。

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コメント

白酒ウィークでしたね。
まん我は師匠文我の関東での会でよく聞いていますが、私は将来を期待する上方の若手の一人です。
NHkでは優勝する前年に三代目春団治直伝の「お玉牛」をネタに選ぶなど、そのチャレンジ精神を買います。
今回の出来は今ひとつだったようですが、ぜひ長い目で見てあげて欲しい噺家さんです。

小言幸兵衛様
受賞記念公演ということだったようで、しかも東京の劇場で大ネタを掛けるということで、本来の力が発揮出来なかったのかもしれません。
それと「三十石・通し」というネタの難しさを改めて認識させられました。

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