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2012/03/22

#26白酒ひとり(2012/3/21)

3月21日、国立演芸場で行われた第26回「白酒ひとり」へ。
文字通り白酒ひとりで3席演るこの会は人気が高く、平日にもかかわらず前売り完売。

<  番組  >
前座・柳家さん坊「子ほめ」
桃月庵白酒「平林」
桃月庵白酒「禁酒番屋」
~仲入り~
桃月庵白酒「明烏」

白酒の1席目「平林」、前日に風邪で発熱したとかで医師の診断を受けた話とか、某アイドルに落語を教えているとか(これも自分の会のPRだったようだ)、採りとめのないマクラをダラダラと。あんた小三冶かい。
熱烈なファンはこの手の話題も興味津々かも知れないが、コチトラには退屈なだけ。
談志の会で、マクラにイライラして「早くネタに入ってよ」と野次る客と談志が喧嘩していたことがあったが、客の気持ちが分かる。
体調が悪いので時間稼ぎかと思っていたら、演目は「平林」。やっぱり。
独演会に掛けるネタじゃないね。

2席目「禁酒番屋」。これも恒例の、客のアンケートに書かれていた質問に答えるコーナーが最初に行われる。
いつも思うのだが、せっかく質問するならもうちっと気の利いたことが訊けないんだろうか。ただ鈴本でのトリのネタ出しの話だけは参考になった。
「禁酒番屋」だが、前回聴いた時よりややアッサリ目か。
カステラと偽って酒徳利を持ちあげる際に際に思わず「ドッコイショ」。見咎められると「ドイツの将校」に、番屋の侍は「よけい怪しいではないか」。
中味は水カステラと言い張り、名前が「ゲロルシュタイナー」。
字に書くと面白味は分からないかもしれないが、実際に聴くと爆笑モノ。
ようやく白酒のエンジンがかかる。

3席目「明烏」。マクラで先日行われた雲助一門「双蝶々・通し」の話題に。
白酒が入門した当時の雲助は普通の滑稽噺を得意としていて、そういう師匠に憧れての弟子入りだったよし。その後芝居噺や人情噺が評価され、そちらが主になってきた。後の二人はそれ以後に入門したので芸風も違う。ああした企画は白酒としてはやり辛かったと。多少エクスキューズ気味ではあったが、事情は理解できた。
さて本題だが、このネタの主役は源兵衛と太助だ。日本橋田所町・日向屋半兵衛、商人にとって荒くれ者というのは時には商売の妨げに、時には利用価値がある存在で、これは今も昔も変わらない。だから時々源兵衛には小遣いを渡し手なずけていたんだろう。倅の時次郎を吉原に誘うよう頼んだのも源兵衛、それに相棒の太助が付いてきた。
源兵衛は半兵衛との手前、とにかく時次郎のご機嫌を取り首尾よく筆おろしを済ませたいという一心。時次郎も何かといえば源兵衛の方を頼りにする。それに対して太助は直接の義理は無いのだから少し距離を置いている。その代り時次郎があまりに駄々をこねたりすれば、強面になって脅すことも出来るわけだ。
二人には明確な役割分担が存在し、上手い人が演ると会話の中でどちらが源兵衛でどちらが太助かハッキリと分かる。
白酒の欠点は、この二人の演じ分けが不明確だ。
その点を除けば、独自の毒のあるクスグリが生きていて面白く仕上がっていたように思う。

白酒の独演会の中では平均点以下の出来だったが、ナマモノだからこういう時もあるさ。

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コメント

そうですか。
私が聴いたときは二人の演じ分けが出来ていたような気がしましたが。
声色で分けるのではなく間で分けていたような。

投稿: 佐平次 | 2012/03/22 11:59

いらっしゃったんですね!
確かに、絶好調の白酒とはいかなかったですが、それでもあの高座、という意味でたいしたものです。私のブログでは少し辛めに書きましたけどね。
源兵衛と太助、昨夜は、少しボケてました。
この人も、チケットが取れなくなってきました。三三はもちろんですし、一之輔もしかり。
う~ん、新しい人を探さなくては、などと思っています。
ほめ・くさんのお奨めがいましたら、ぜひご教授のほどを!

投稿: 小言幸兵衛 | 2012/03/22 17:57

佐平次様
「明烏」で時次郎がここはお稲荷様じゃなくて吉原だと気づいた場面で、時次郎が「太助さーん」と叫んでいましたが、これは変。ここは「源兵衛さーん」でしょう。
そうした細かな点での演出に不満が残った次第です。

投稿: HOME-9(ほめ・く) | 2012/03/22 21:59

小言幸兵衛様
生身の身体ですから体調が悪い時も当然あるでしょう。でもそれをネタにしちゃあいけません。
「平林」も結局は次回の独演会へのPRだったようで後味が悪い。
1席目の印象が悪すぎたと思います。
お薦めなどトンデモないことで、こちらが幸兵衛さんに教えて貰いたい位です。

投稿: HOME-9(ほめ・く) | 2012/03/23 06:06

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