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2012/03/27

自衛隊の個人情報収集に「違法」の判決

陸上自衛隊がイラク派遣反対運動の参加者を監視して個人情報を集めたのは違法だとして、情報収集の差し止めと損害賠償を求めた訴訟で、仙台地裁(畑一郎裁判長)は3月26日、原告5人に計30万円を支払うよう国に命じる判決を言い渡した。「情報収集は人格権を侵害し、違法」と判断したものだ。
自衛隊による情報収集の違法性を指摘した判決は初めてとのこと。
判決では、「自分の個人情報を収集、保有されないようにコントロールする権利は、法的に保護に値する利益として確立している」と指摘。情報保全隊の情報収集によって5人が「個人情報をコントロールする利益、すなわち人格権を侵害されたといえる」としている。

陸上自衛隊情報保全隊による監視活動はかなり広範囲なもので、明らかにされた内部資料によれば、2003年12月から2004年3月までの4か月間だけでも11部の文書が作成されていた。
文書には多数の個人名が書かれ、デモの様子や行動、参加者の写真などが掲載されていた。
うち5部は「情報資料について(通知)」と題して、医療費負担、年金制度、消費税増税などの反対運動に関する詳細な記録で、いずれも自衛隊とは無関係な内容となっている。
別の6部は「イラク自衛隊派遣に対する国内勢力の反対動向」と題するもので、41都道府県、289団体・個人によるイラク派遣反対の運動を記録している。
監視対象は映画監督、画家、写真家、ジャーナリスト、国会議員から高校生までの広い範囲に及んでいる。
また市町村議会の動向、マスメディアの取材活動、さらには宗教団体の動きまで対象にされている。
街頭宣伝を行った者については個人名や肩書まで記し、あるNGO関係者に関しては居所まで特定されていた。

陸自情報保全隊は全国で1007人いて、目的は「自衛隊に対する外部の働きかけから隊員や部隊を守るために情報を収集し整理する」と定められている。
しかし前記文書で見る限りではその目的を大きく逸脱しており、何か別の目的に使用するつもりがあるのではという疑念さえ生じる。
今回の裁判でも国側は情報収集をした理由や動機を説明せず、内部文書についても「国の安全保障に影響を及ぼしかねない」として存否の判断を避けた。
なんだか戦前の「軍機(軍の機密)」を思わせる。

もしかすると、今回のこうした記事も監視の対象にされるのかも知れない。
そう考えると、空恐ろしい。

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