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2012/04/23

#19三田落語会・昼「白酒・圓太郎」(2012/4/21)

前後が逆になってしまったが、第19回三田落語会・昼の部「圓太郎・白酒 二人会」、後輩の白酒がトリを取った。
圓太郎がマクラで「白酒との二人会は本当はやりたくない」と語っていた。他の噺家でもよく同じ声を聞くところをみると、半分は本音かもしれないなと思う。
想像だが、一つは白酒に食われてしまうという傾向、これは否めまい。良く受けるし、相手が先輩だからとか自分は浅い所で上がるからといって遠慮するようなタチじゃないし。
もう一つは、この日も楽屋から見える女子高のテニス風景で圓太郎をいじっていたが、白酒はしばしば楽屋での他の芸人の話題をマクラに振る。そうすると後からの出番では何らかのリアクションが必要になってくるわけで、自分のペースを崩されることがあるのかも。
サラリーマンの世界でも、なんとなくデカイ顔をしている後輩が煙たがれるみたいなもんか。
もっとも白酒は、この会では過去18回の内6回に出演していて権太楼と回数が並んでいる。会の「顔」の一人である。

<  番組  >
前座・入船亭ゆう京「子ほめ」
桃月庵白酒「松曳き」
橘家圓太郎「宿屋の富」
~仲入り~
橘家圓太郎「野晒し」
桃月庵白酒「明烏」

この日の前座は二人とも入船亭で、一人は扇辰門下で今秋の二ツ目昇進が決まっている辰じん、もう一人は扇遊門下のゆう京で昼の部の開口一番に登場。まだ入門し立てだと思うが、「子ほめ」を淀みなく演じた。でも京大出して落語家じゃ親はガックリしてるだろうな。
落語協会の名簿を見て気が付いたが、今は二ツ目がワンサといるのに対し、むしろ前座が少数だ。真打昇進を厳しくした結果二ツ目の滞留人数が増えてきたわけだ。
このままのペースで行けば、やがて生涯真打になれないなんていう二ツ目も出てくるわけで、これはこれとして深刻な問題なのかも知れない。

圓太郎の1席目「宿屋の富」。
この噺の聞かせ処は大きく分けて、最初の泊り客の金持ち自慢、次は富籤の抽選会場の情景、最後に客が一番富の当りを見つける場面の三つだ。
近年では初めの金持ち自慢はあっさり目にして、第二の抽選会場での特に二番富を当てると断言する男の妄想ぶりを中心に描かれる傾向にある。
それに対して圓太郎の演出は第二の場面をカットし、第一の客と宿の亭主とのヤリトリに時間をかけた。
そのせいか全体に平板な印象で、一番富に当たったのを見つける場面でも緊迫感に欠けていたように思う。

圓太郎の2席目「野晒し」。
1席目のやや窮屈な感じとうって変り、伸び伸びとした高座。この人はこういう噺がニンのようだ。
演出としては三代目柳好と八代目柳枝のいいとこ取りだったように思うが、主人公の八が向島に行き、釣り糸を垂れながら女の訪問を妄想する場面での弾け具合が良い。
それだけに「宿屋の富」で、抽選会場での二番富男の妄想ぶりを観たかったなぁ。

白酒の「松曳き」「明烏」の2席は毎度おなじみで、このブログでも何回か採りあげているので詳細は割愛する。
7回目の出演でようやくこの2席を掛ける余裕というか、白酒の抽斗の多さに改めて感心させられる。
今回の高座をみていて再認識したのは、白酒の演出における時次郎の存在感だ。吉原の遊びが男として成長していく通過儀式だったんだというのが良く分かった。
この先も暫くは「三白一兼」の快進撃が続くのだろう。

三田落語会の会場での次回チケットの販売枚数が、次回から一人当たり今の半分になるらしい。私のように常に独り参加の人間にとっては朗報だ。
主催者側としは何とか早くチケットを捌きたいということだろうが、公平性の点から又ネットダフ屋を排除するためにも、他の落語会でも検討して欲しい。

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コメント

「宿屋の富」に、二等富男の妄想がないのは、何とかのないコーヒーのようなもの^^
「刺身があって、天麩羅があって鰻があって・・・・・・」ですよ。志ん朝のあの場面のリズミカルで可笑しいことったらない。
「野晒し」は良かったようですが、私はなぜか圓太郎が合わないんですよ。
しかし、今やチケットの取りにくい三田の昼夜通しとは、うらやましい限りです。

投稿: 小言幸兵衛 | 2012/04/23 20:40

小言幸兵衛様
このネタは二番富男の妄想と落胆ぶりが山場と思えるほどなので、ここをカットされると気が抜けてしまいます。
クセはありますが圓太郎は中堅実力派の一人ですから、ここからが勝負だと思います。

投稿: HOME-9(ほめ・く) | 2012/04/24 06:52

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