フォト
2023年9月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
無料ブログはココログ

« そんなにイランが悪いのか | トップページ | 「天下たい平」50回スペシャル(2012/4/8) »

2012/04/08

女性たちの生と性を描く「まほろば」(2012/4/7)

4月2日に行われた大阪市の新規採用職員の発令式で、橋下徹市長は「みなさんは国民に命令する立場」と訓示した。
市長は市職員に命令し、職員は市民に命令を下す、「右向け右!」と。
公務員は国民の奉仕者の筈だが、大阪市ではいつから国民に命令するほど偉くなってしまったのだろうか。
これじゃ旧ソ連か中国みたいだ。
こんな官僚国家は真っ平御免。
"under the bridge"という名の新型ウイルスが全国に蔓延することだけは阻止せねばなるまい。「維新伝染」というから。

4月7日、新国立劇場で公演中の「まほろば」を観劇。
作者と演出家が男性だが出演者が全員女性という珍しい芝居で、そのせいか女性客が多い。
2008年の初演に続く再演で、キャストは子役を除き初演と同一とのこと。

作:蓬莱竜太 
演出:栗山民也
<  キャスト  >
秋山菜津子/40代、藤木家の長女ミドリ 
三田和代/60代、ミドリの母ヒロコ
中村たつ/70代後半、ヒロコの姑タマエ  
魏涼子 /30代後半、ミドリの妹キョウコ 
前田亜季/20歳、キョウコの娘ユリア  
大西風香/11歳、ミドリの知り合いの子供マオ  

ストーリーは。
九州のある地方。
伝統と格式のある藤木家、その家のヒロコには家の跡継ぎがいないのが最大の悩み。男の子を生めなかったというのが負い目となっている。
東京でキャリアウーマンとして働くしっかり者だが婚期を逸しつつある長女ミドリ、実家に同居するシングルマザーで今も奔放な男関係を続ける次女キョウコ。
長女の婿取りだけがヒロコの期待。
この地方の有名な祭りの日、長女ミドリが婚約者を別れての傷心の帰郷。何とか縁りを戻せないかと迫るヒロコに、ミドリは既に閉経しているので子作りは諦めろと告げる。
そこに東京で一人暮らししているキョウコの娘ユリアが突然家に戻ってくる。既に妊娠していて相手は妻子ある男性、産むか産まないか迷っているという。驚いた母親のキョウコは絶対に堕ろせと強く迫るのだが、ミドリや祖母のタマエは産むことを勧める。
やがてミドリの身体の変調に気付き、彼女の生理がとまったのは妊娠のせいではないかと・・・。

望まぬ妊娠をしてしまった女性たちと、家の継続のみが自分の使命と心得る母。
非婚、晩婚、デキ婚のある一方、シングルマザーも増えている現代の女性の生き方。その一方で家制度を守りたいと願う人々もおり、この対立は現代のテーマのひとつではある。
この問題をテーマとした芝居で、対立と葛藤を経て最後はそれぞれに明るい希望を抱かせるエンディングとなっている。
妊娠したのかしてないのか、そんなセリフが飛び交う舞台だが、客席は終始笑いに包まれる。
出演者全員の好演に支えられた上質の喜劇だといえよう。

しかし女たちを妊娠させた男どもは一切姿を現すことなく、責任を取ろうともしない。ただ舞台の外で祭りに興じているだけだ。
彼女らがこれから立ち向かうであろう修羅場や生活苦など、どこ吹く風。
性は男にとっては快楽だけだが、女性にとっては子供を産み育てるという苦労が後に続く。
男稼業なんてぇのは気楽なもんだ。
やっぱり男性がこさえた作品だね。

公演は4月28日まで各地で。

« そんなにイランが悪いのか | トップページ | 「天下たい平」50回スペシャル(2012/4/8) »

演劇」カテゴリの記事

コメント

橋下は中身は空っぽ、しいて言えば感覚は古いと思います。幼稚でもある。

佐平次様
加えて橋下の批判者に対する執拗な攻撃、報復的な性格はヒトラーよりスターリンを思わせます。
こういう人物が国家権力を握ったらと、考えただけで恐ろしい。

日本維新の会の橋下徹代表が、法律無視の発言を繰り返す理由がわかった。東京維新の会都議団が、大日本帝国憲法復活請願に賛成した。帝国憲法の要旨『国会の同意なしに戦争可。政府方針に反する集会・考え・新聞・政党・宗教団体・書籍は禁止(帝国憲法に基いて制定された出版法・新聞法・治安維持法・治安警察法より)』。作家の三島由紀夫は自衛隊に行き、憲法違反のクーデターを呼びかけ。割腹して仲間に首を切らせて死んだ。これを賛美する松山維新の会市議がいる。維新代表の橋下君は、これに沈黙中。批判もしない。維新が政権をとったら反対政党は非合法化されるだろう。維新批判者を逮捕する法律が制定されかねない。怖い。橋下君とネオナチがダブって見えた。(ちなみに昨年秋に行われた亀田興毅のプロボクシング試合で、松井府知事と橋下市長が壇上に立ち、君が代を歌った。松井君は手を前に組み気を付けをしてなかったが、橋下君は注意しなかった。身内には甘い。)

東京維新の会都議団が大日本帝国憲法復活請願に賛成しました。それどころではなく請願の紹介議員でもあったのです。
思想信条の自由、言論の自由、信教の自由さえ否定されていた時代に戻そうというのです。
昨日橋下代表は今回の件を、それは地方議員の判断だということで事実上容認しました。
「維新の会」が日本を日本国民をどこに導いていこうとしているか、日に日に明らかになってきています。
自由と民主主義を愛する者は、何としてもこの動きを止めなくてはならないでしょう。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 女性たちの生と性を描く「まほろば」(2012/4/7):

« そんなにイランが悪いのか | トップページ | 「天下たい平」50回スペシャル(2012/4/8) »