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2012/04/11

花に嵐のたとえもあるぞ

今朝、近くの公園の桜が数多く散っていた。早朝の風雨のせいだろう。
今日一日の嵐で、大半の花が落ちてしまうかも知れない。
桜が開花するこの時期、日本海で発達した前線が日本列島を横断し、先日のように時には台風並みの嵐となる。
「明日ありと想うこころの仇桜 夜半に嵐の吹かぬものかは」とは、親鸞が9歳の時に詠んだ歌とされている。随分とオマセだったんですね。
この時期にしばしば引用される「花に嵐のたとえもあるぞ」という言葉だが、これは作家・井伏鱒二が有名な漢詩を意訳した中の一節だ。
全文は次の通り。

【勸酒】 于武陵
勸君金屈卮
滿酌不須辭
花發多風雨
人生足別離
(意訳)
コノサカズキヲ受ケテクレ
ドウゾナミナミツガシテオクレ
ハナニアラシノタトエモアルゾ
「サヨナラ」ダケガ人生ダ

原文を日本的風情に移した名訳である。
これを読むとやはり大陸でも開花の季節には風雨が強まるらしい。
映画「愛染かつら」の主題歌「旅の夜風」では
♪花も嵐も 踏み越えて
行くが男の 生きる道♪
とされていて、男なら別離だの無常だのという心情に浸っていないで、それを踏み越えよということらしい。
もっとも今どきは、女性の方が踏み越えていってるけど。

さて、井伏鱒二の漢詩の意訳は他にもある。
下記はその一例。

【田家春望】 高適
出門何所見
春色満平蕪
可嘆無知己
高陽一酒徒
(意訳)
ウチヲデテミリャアテドモナイガ
正月キブンガドコニモミエタ
トコロガ会ヒタイヒトモナク
アサガヤアタリデオホザケノンダ

「阿佐ヶ谷あたりで大酒飲んだ」という訳は些か乱暴な気もするが、なんとなく雰囲気は出ている。

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コメント

春さん蛸のぶつ切りをくれえ
それも塩でくれえ
酒はあついのがよい
それから枝豆を一皿

「新橋よしの屋にて」という詩の第二連、
井伏好きです。

佐平次様
これに色白で小股の切れ上がった、そう年でいえば三十凸凹、目元に愛嬌のある女性さえいれば、後は贅沢は言いません。

この記事、リンクさせてくださいね。

佐平次様
どうぞ、どうぞ。

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