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2012/05/27

#21「京の噺家・桂米二でございます」(2012/5/26)

5月26日、深川江戸資料館で行われた「第21回 京の噺家・桂米二でございます」へ。当方は初参加。
この辺りは地下鉄の駅ができるまでは不便な所で、清澄通りを門前仲町からも森下からも歩くとけっこう距離がある。そういえば森下の「みの家」にも暫く行ってないなぁ。昔の東京を偲ばせるような店が並んでいて情緒のある街だ。
師匠と二人の弟子による、東京では初めての米二一門会とのこと。

<  番組  >
桂二葉「道具屋」
桂二乗「茶の湯」
桂米二「百年目」
~中入り~
桂米二「住吉駕籠」
(全てネタ出し)

落語家がネタの中で言い間違うことがある。演者の方でもシマッタという気持ちが残りリズムを崩すというケースがあるだろうが、聴いている客もそこに気を取られて集中力を欠くような場合がある。
今回の会で二回あった。

先ず二乗「茶の湯」。
「郊外に一軒の隠居所を買い受けます。離れがお茶室になっとります。長屋が三軒付いておりまして」のところで「五軒付いて」と言ってしまった。
当方は上方落語の「茶の湯」は初めてだったので、大阪では五軒長屋で演るのかなと一瞬思ってしまった。
「いや、三軒です」と訂正が入ったが、今度はなぜ「五軒」と言い間違いたんだろうと考えてしまう。落語の中で五軒長屋が出てくるネタがあったかな、思いつかないなと、頭をめぐらしている内にこちらの集中力が切れてしまった。
二乗は入門10年目というから東京では二ツ目の位置だ。師匠は「何年やっても間が悪い」と厳しかったが、出来はさほど悪くなかったと思う。
ただこのネタはやはり東京のモノだ。上方に移すとどこか無理がある。

もう一つのミスは米二「百年目」の冒頭で、番頭の次兵衛が小言をいう場面で丁稚の定吉が「番頭はん」というべき所を「旦那はん」とやってしまった。
他の言い間違いならまだ良いのだが、これはマズイ。
この演目の最大の聴かせどころは、終盤の旦那が番頭に「旦那」という言葉の成り立ちを語りながら、奉公人への接し方を諭す場面である。
だから「旦那」はいわばキーワードともいうべき言葉であり、重要なのだ。
米二は米朝の人間国宝にまつわるかなり長めのマクラを振ったが、それが影響したのだろうか。
ミスの影響かどうか、前半はやや精彩を欠いていたように感じられた。
しかし桜宮の土手にあがって囃し始めるころから調子が上がってきた。
旦那の立ち振る舞いやセリフが、いかにも大阪の大店の主人としての風格を示していて、番頭の心理描写とともに期待通りの良い出来だった。
このネタは東京の高座にもかかるが、やはり上方落語が似合う。
それだけに画竜点睛を欠く感があったのは残念だ。

米二「住吉駕籠」、東京では「蜘蛛駕籠」だがオリジナルの上方の方が登場人物が多彩であり個性的。米二は巧みに人物を演じ分け面白く聴かせてくれた。

会の進行について、中入り前まで約2時間はかかり過ぎ、ダレた。二葉と二乗の時間をもっと短く詰めた方が良かったのでは。

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コメント

二乗と米二の前半ウツラウツラで、間違いにも気がつきませんでした。
上方の言葉もいいですね。

投稿: 佐平次 | 2012/05/27 16:22

佐平次様
同じ関西弁でも京都の方はマイルドな感じがします。
米二の語りは心地よく、眠気を誘うのかも知れませんね。

投稿: HOME-9(ほめ・く) | 2012/05/27 16:38

いらっしゃると知っていれば、終演後にお誘いしていたんですが^^
そのうち、ぜひ居残り会へのご参加を期待しています。

投稿: 小言幸兵衛 | 2012/05/27 21:01

小言幸兵衛様
遅くなったりすると、「どうせ噺家が白粉つけた待ってたんでしょ」と嫌味を言う人間が近くにおりまして・・・。
困ったもんです。

投稿: HOME-9(ほめ・く) | 2012/05/28 10:09

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