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2012/06/10

高縄手落語会(2012/6/9)

先週末に続く二ツ目シリーズ。
6月9日、高輪区民センター3F和室で行われた「高縄手落語会」は、当初出演者は立川談奈と桂宮治とあり、この二人会なら面白そうだと思って出かけた。
ところがフタを開けてみれば圓楽一門の真打三遊亭鳳志と二ツ目(多分)三遊亭鳳笑が加わった4人の会になっていた。
これでは期待した会の性格が全く変わってしまう。
どうやら出演者自身も事前に知らされていなかった様なのだ。
こういうのは初めての経験で、何だか騙されたような釈然としない気分を終いまでひきずってしまった。

<  番組  >
桂宮治「雑排」
三遊亭鳳笑「町内の若い衆」
三遊亭鳳志「厩火事」
~中入り~
立川談奈「子は鎹」

宮治「雑排」、今春芸協の二ツ目に昇進したばかりだが期待の新人と言って良いだろう。
先ず風貌がいい。寅さんに出て来るタコ社長に似た体形と顔つき、噺家向きだ。
声が大きい。そして一番は明るいことだ。本人だけ明るいってぇのはダメで、肝心なのは客席を明るくすること、これを素質として持っている。
まだ芸は粗い。このネタにしても完全に頭に入っていないんじゃないかと思われる場面もあったが、そんな細かなことを吹き飛ばしてしまう勢いがある。
将来は十代目桂文治のようなタイプの落語家になるのでは。

鳳笑「町内の若い衆」は宮治とは正反対で会場の空気を一気に冷やす。
あの生硬な喋り方は何とかならないものだろうか。

鳳志「厩火事」、調べてみるとこの人は入門9年で真打に昇進している。大抜擢で話題の一之輔でさえ真打になるには11年かかっているいるわけで、圓楽一門の場合基準がやや甘いのかも知れない。
ネタの出来はごく普通といったところだ。
私見だがこの演目の夫婦は、いわゆる髪結いの亭主と呼ばれるヒモ男とキャリアウーマンの物語だ。だからこの二人の間の男女の機微というのは通常の夫婦とは異なる。女房の方は亭主が可愛くてしょうがないし、亭主はこれに手練手管で応える。この心情が出せるかどうかが肝心だが、そこまで要求するのは無理のようだ。

談奈「子は鎹」、語り口はこの日の演者の中では一番しっかりしている。様子もいい。芸歴も入門13年だからそろそろ真打に手が届く時期に差し掛かりつつあるのだろう。
ネタの出来は悪くなかったが単調だったように思う。音楽でいえば全てが四分音符、緩急に乏しく休止符もない、そんな感じだった。
反面このネタに陥りがちな臭さが無く、スマートな演出だったともいえる。
チャンスがあれば他の滑稽噺も是非聴いてみたい。

やはり談奈と宮治の二人会として、各二席ずつを聴いてみたかった。
その点で期待はずれ。

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コメント

どういう事情があったんでしょうね。
人数が多けりゃいいってもんじゃないなあ。

佐平次様
同じ料金で4人が聴けて今日はお得です、なんて言ってましたが、冗談いっちゃいけねぇ。

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