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2012/06/03

#7寄席あすか亭「橘ノ圓満」(2012/6/2)

6月2日、新橋”スタジオあすか”で開かれた「第7回 寄席あすか亭」へ。
芸協の二ツ目である「橘ノ圓満の会」で、雑居ビルの狭い階段を3階にあがると会場。20名ほどの客は殆んどが常連のようだ。
圓満は入門10年だが年齢はそろそろ50に手が届く。実家が上野の日本料理屋とのことで回り道での入門なのだろう。
数少ない生粋の江戸っ子落語家だ。

<  番組  >
橘ノ圓満「百川」
橘ノ圓満「転失気」

年齢、体形、風貌、どれをとっても二ツ目には見えないが、実力も真打だと言っても可笑しくない。
「上手い二ツ目」という世評はその通りだと思う。
1席目「百川」。幕末の黒船でやってきたペリーを江戸城で接待した時の会席料理はこの百川で誂えたと円満はマクラで語っていた。その時の費用が千両とか。さすが料理屋出身。
そうなるとこの噺は元々が実話から出来たのか、店が宣伝のために噺家に創らせたのか、両方の可能性があるわけだ。
「百川」は古典の中でも難しい部類に入る。大きく分けて前半は百川2階での田舎者百兵衛と江戸の河岸の若い衆との掛け合いと、後半の百兵衛が常磐津歌女文字を鴨池(実在の人物だそうだ)という医者に間違えてしまう所から始まる混乱だ。
この前半部分を下手な人が演るとダラケてしまい、全体がぶち壊しになる。
円満の演出は百兵衛の田舎者ぶりを際立たせ、若い衆とのヤリトリの間も良かった。
後半もテンポが良かったし、人物も十分に演じ分けが出来ていて、全体にいい仕上がりだった。
注文があるとすれば、河岸の若い衆をもっとイナセに演じて欲しかった。何だか少し年寄りじみていたように見えた。

2席目は軽く「転失気」を。三代目金馬の演出をベースにしていたと思われるが、オチは異なる。
典型的な前座噺であるが、さすが円満クラスが演じると面白味が増す。
ただ小僧の珍念が子どもには見えず、あれでは10代半ばの少年のようだ。
それと前の「百川」と共に医者が出て来るネタなので、2席がツイテしまったのではなかろうか。
アットホームな会なので、やかましい事は無粋かも知れないけど。

芸協の昇進は年功序列なので、真打になるにはあと3-4年かかるのだろう。
さらに芸を磨き、古典を演じる際に「円満の〇〇」のような自分の型を創りあげて欲しい。
この人の場合は「未だ二ツ目」という但し書きは不要だ。

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