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2012/06/28

シャボン玉ホリデーの時代

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「ザ・ピーナッツ」の姉、伊藤エミが6月15日に亡くなった。享年71歳だった。
「ザ・ピーナッツ」の二人は1975年に芸能界を引退しているので若い方はご存じないかもしれないが、私たちの年代の人間にとってはTV番組「シャボン玉ホリデー」と共に忘れることができない。
まだテレビが家庭の主役だった時代、日曜日夕方6時からは「てなもんや三度笠」、そして6時半からは「シャボン玉ホリデー」を観るのが家族の儀式だった。
この番組は当初司会者のザ・ピーナッツの冠番組「ピーナッツ・ホリデー」として放送することとなっていたが、スポンサーである牛乳石鹸の意向でタイトルが変ったものだ。だから実質的には彼女らの番組といって良い。
優れた歌唱力と美しいハーモニーが彼女らの魅力だった。

テーマソングの
♪シャボン玉 ルルルルルルル
シャボン玉 ラララララララ
ロマンチックな夢ね 丸いすてきな夢ね
リズムにのせて 運んでくるのね
ホリデー ホリデー シャボン玉
シャボン玉 ホリデー♪
が始まると、もうワクワクして今日は植木等や谷啓がどんなコントを披露するのか楽しみで仕方なかった。
そう、もう一組のレギュラーが「ハナ肇とクレージーキャッツ」だった。中心メンバーは元々が「フランキー堺とシティ・スリッカーズ」に参加していて、ジャズプレイヤーとしても一流だった。
そして番組の台本がしっかりしていた。
作者として青島幸男、前田武彦、塚田茂、河野洋、はかま満緒らが腕をふるっていたのだから、面白くなかろうはずがない。
エンディングのザ・ピーナッツの「スターダスト」が流れると、ああこれで週末が終わったなという気分になったものだ。

今ではバラエティ番組というと雛壇芸人たちがお互いにふざけ合ってそれを笑い合うというイメージが強いが、当時はこの「シャボン玉ホリデー」や「夢で逢いましょう」に代表される洒落た番組が多かった。
何より出演者に「芸」があった。

1972年に番組が終了する3年後にはザ・ピーナッツは芸能界を引退する。「シャボン玉ホリデー」は彼女らの芸能生活それ自身だったのだろう。
ハナ肇が肝臓がんで入院した時は二人交代で看病をしたそうで、いよいよ重篤となる前に病室内に番組のセットを設け、二人が「シャボン玉ホリデー」当時の衣装をつけて歌ったとある。ハナさんはさぞかし嬉しかったろう。
二人の優しさを物語るエピソードだ。

伊藤エミさんのご冥福をお祈りする。

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コメント

「スターダスト」が好きな曲のベスト10になったのはザ・ピーナッツのお蔭かもしれないです。
「可愛い花」も好きでした。

佐平次様
彼女らが活躍した時代がちょうど青春期と重なり、甘酸っぱい思いに浸ってしまいます。「モスラやモスラ」も可愛かったですね。

「モスラ」は、姉に映画館に連れて行ってもらって見ました。
「シャボン玉ホリデー」は、家族全員が毎週心待ちにしていました。
谷啓は、ジャズ専門誌の投票でトロンボーン奏者トップをキープしていた程の演奏家でもありましたし、クレージーは全員がプロのミュージシャンでありコメディアンでした。
もう、あんな番組はつくれないでしょうね。

「恋のフーガ」は私の携帯音楽プレーヤーの定番です。
合掌。

小言幸兵衛様
植木等の歌は声楽家からレッスンを受けていました。だからちゃんと唄えているのです。
「フランキー堺とシティ・スリッカーズ」のライブを新宿武蔵野館で観ていて、これは自慢。

おじゃまします。
私も昭和29年生まれで、毎週日曜のシャボン玉ホリデーやザ・ヒットパレードを楽しみにしながら育ちました。
素敵だったピーナッツや、洒落たセンスのクレージー・キャッツが懐かしくてなりません。単なるアメリカかぶれとは違う、戦前の日本人の粋という物差しを彼らは持っていたような気がします。
伊藤エミさんのご冥福をお祈りします。

YOO様
植木等の父親は僧侶でしたが、戦前弾圧を受けた左翼運動家に援助活動を続けていた反骨の人です。
彼のどこかにもその血が流れていたような気がしています。

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