民主党の崩壊
民主党の小沢一郎元代表は6月21日、消費増税を含む社会保障と税の一体改革関連法案に反対する意向を表明し、離党して新党を結成する可能性に言及した。
民主党の分裂は不可避な情勢だ。分裂というよりは「崩壊」といった方が正確かもしれない。
否、もう既に崩壊してしまっている。
当ブログでは民主党政権が誕生した時点から、この政権は自民党となんら変わらない政策を進めるであろうと断定してきた。
その根拠は民主党の議員構成で、彼らを分類するとおよそ次の通りになる。
・自民党の仲間割れグループ
・かつての新党ブームの残党
・自民党の公認を得られないので便宜的に民主党から立候補した人たち
・第二自民党と呼ばれていた旧民社党グループ
・旧社会党からの転向組
民主党というのは、この人たちが集まって「政権奪取」の一点だけを自己目的とした政党なのだ。
だから理念もなければ政治哲学もない。同床異夢。
2009年の総選挙では口当たりの良い政策を並べ、有権者の票を掠め取った。
しかし政権を取った瞬間から民主党は目的を失ってしまう。マニフェストなんてぇものは飽くまで選挙向けの戯言、最初から実現する気もない。
官僚を叩けば拍手喝さいを浴びるという計算で(橋下「維新の会」の公務員叩きと同じ手口)「脱官僚」をかかげたが、気が付けばすっかり官僚に取り込まれていた。そりゃそうだろう、官僚の方が優秀なんだから。
迷走を繰り返したあげく、最後は野田、前原、仙谷らの「親自民族(というより自民党そのもの)」が実権を握るに至った。
だから民主党はとっくに崩壊していた野田。
選挙の公約を守らぬどころか全く正反対の方向に突き進んでいるのだから、民主党野田政権は存在意義を失っていた。本来は解散・総選挙により信を問うのが本筋だ。
しかし最大野党の自民党はそうした道を追求せず、「消費税増税」実現の一点で公明党と共に民主党と「談合」してしまった。
自民党としても本来、原発事故については永年にわたる自民党の原発推進政策にこそ最大の原因があるのだが、上手い具合に民主党に全ての責任を覆いかぶせて知らん顔が出来たという負い目もあったんだろう。
「民・自・公」3党による野合の産物が、今回の一体改革関連法案だ。
この3党が集まれば国会の大多数が握れるので、審議抜きでどんどん法案が通せる。”3悪党 make 悪法”である。
民主党の崩壊が招くものが翼賛体制と議会の骨抜きであるとしたら、これ以上の不幸はない。
「失われた3年」のツケが国民の上に重くのしかかっている。
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