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2012/07/01

#397 花形演芸会(2012/6/30)

6月30日、国立演芸場「第397回 花形演芸会」へ。
早々と前売り完売となっていたが、キャンセルが出てチケットが1枚だけあった。
今日で半年が終りか、早いなぁ。

<  番組  >
前座・古今亭きょう介「子ほめ」
川柳つくし「健康診断に行こう」    
古今亭志ん丸「野ざらし」           
カンカラ「時代劇コント」              
古今亭菊志ん「九州吹き戻し」         
―仲入り―
柳家さん喬「抜け雀」
鏡味正二郎「曲芸」          
春風亭百栄「マザコン調べ」    

つくし「健康診断に行こう」
新作だが、このネタの面白さが分からない。
シモネタで笑いを取ろうとする根性が気にいらない。特に女流落語家がやると汚く感じる。

志ん丸「野ざらし」
明るい高座で喋りのリズムが良い。
釣り場での八つぁんの一人キチガイぶりは、3代目柳好を彷彿とさせる。あんまり妄想が膨らみ過ぎて八五郎、終いには川へドボン。

カンカラ「時代劇コント」
コントで丁半博打を演るなら「壷ふり」はキレイに見せて欲しい。

菊志ん「九州吹き戻し」
残念ながら期待はずれだった。
語りが早過ぎてあれでは観客は筋を追うのが精いっぱいで、談春とは大違い。
時間的にこのネタを演じるには無理があったのでは。         

さん喬「抜け雀」
かなりの「早回し」だったがフルバージョン、中身は省略していない。
マクラから客を掴んでいて、さすがと言うしかないが、こういう所を菊志んは学んで欲しい。

正二郎「曲芸」
毎度よく技を研究していて感心する。
寄席の太神楽の芸人がもっと見習って欲しいくらいだ。          

百栄「マザコン調べ」    
タイトルから想像がつくように「大工調べ」の改作。
マクラで古典オリジナルについて、あれは大家の言い分の方が正しいと。
120,800円借りて返しに行くが120,000円しかなかった。「800円はいいよ」と貸した方が言う分には構わないが、返す方が言うのはオカシイ。それを「ちゃんと800円も返してよ」と催促したら、いきなり借り手が逆ギレして啖呵を切ってきた。おまけに裁判では借り手の言い分が認められてしまう。あれでは大家が気の毒だ。
ナルホド。
新作では、社長の長男が女性社員を見初め結婚を申し込むが、女性には既にパートナーがいて断られる。そこで男の母親が息子を伴って女性宅を訪れ、相手の男と別れて息子と結婚するよう強く迫る。その言い分があまりに一方的で女性が拒否すると母親がいきなりケツをまくって啖呵を切るのだが、この内容が大工の棟梁とそっくり。
パロディとして良く出来ていたし、心配していた啖呵の場面も無事こなしていた。
今まで聴いた百栄の高座ではこれがベスト。

「終り良ければすべて良し」としよう。

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寄席・落語」カテゴリの記事

コメント

幸兵衛さんと接近遭遇でしたね。
「大工調べ」は噺家によっては棟梁が憎らしく見えるときがあります。
髪結新三が親分の「俺の顔をたててくれ」という説得を拒絶したのには、そういう気分があったのかもしれません。

佐平次様
「大工調べ」の大家、「忠臣蔵」の吉良上野介、似たような立場ですね。
百栄は良くなってきました。

やはり、いらっしゃいましたね^^
私も期待していただけに、菊志んの高座はたしかに残念でしたが、長い目で見たいと思います。実力はあるはず。
志ん丸の持つ雰囲気、私は好きです。
百栄の高座、とにかく可笑しかったし、ネタの完成度に感心しました。
この人、今後がますます楽しみです。

小言幸兵衛様
「九州吹き戻し」のようなネタは”遊び”が無くちゃいけません。時間をかけてジックリ聴かせる噺で、中トリでは無理がありました。
菊志んの、こういうネタをかける了見は買います。

志ん丸の「野ざらし」は僕も聴いたことがあります。明るい高座で喋りのリズムが良い、というご評価は全くその通りです。だから職人の口調が巧い。野球で言えば全力投球を怠らない速球投手ですね。

福様
八五郎の妄想の中に出てくる年増の造形も「さいさい節」も結構でした。楽しさが客席に伝わってくるような高座でした。

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