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2012/07/02

落語家の廃業

落語協会HPで平成24年11月上席より二ツ目昇進を発表していた”三遊亭ありがとう”の名前が協会員リストから削除されていたので調べたら廃業したらしい。
以下は林家時蔵のサイト「時蔵のこんな話あんな話」からの引用だ。

”噺家廃業”(2012年4月6日)
やはりというか予想していた通り、ここに来て廃業者が相次いだ。一人は二つ目の古今亭大五朗である。亡くなった古今亭志ん五師匠の弟子で、二つ目になって2年半ほど。前座の修行を終えて、二つ目になってから辞めるというのには、それなりの大きな理由がある場合がほとんどだ。
彼は福島県の出身で大震災で親戚が亡くなったということも聞く。それ以前に師匠を失ったことも大きな原因の一つなのだろう。まあ、傍から推測でものを言ってはいけないが、諸々の出来事が彼を取り巻く環境に起こって、廃業せざるを得なかったのではないかと思う。
もう一人は前座の三遊亭ありがとうである。歌之介の弟子で前途有望なはたちの青年である。彼の場合は体調が悪く、しばらく寄席を休んでいて結局、芸人をあきらめざるを得なかったようだ。体の具合が悪いのでは仕方がない。この2人は残念ながら、自分の希望通りの道に進めなかったわけであるが、適職を見い出して力を発揮して欲しい。
まあ、アタシは幸いにして自分の思い通りの道を歩んで来たわけであるが、この先前途がバラ色かというと決してそういうわけではない。世間の景気の悪さは相変わらずだ。
現在のアタシとかけて、ちびたロウソクととく。そのココロは、もう風前のともし火です。

この記事によれば、三遊亭ありがとうの場合は健康上の理由によるものらしい。
もう一人の古今亭大五朗の方は理由は不明だが、2010年に師匠を亡くした上に昨年の大震災で親戚の方が死亡したという不幸が重なったことが影響したのかもしれないとされている。
終りの数行は落語家の生活の厳しさに触れている。
一部の売れっ子を除けば、大半の噺家の生活は楽じゃないのだろう。

もう一人は1年半ほど前になるが三遊亭金翔の廃業についてである。
以下は「三遊亭金翔から鑑みる落語界あれこれ」というサイトからの引用だ。

”金翔廃業の噂”(掲載日不明)
2010年10月末、12月に開かれる「上席 池袋演芸場夜席」の出演を控えながら突然の廃業を迎えた。
その理由について正式な発表はなく、本人のツイッター・ブログや師匠である金時のブログからの情報による憶測が飛び交うばかりである。
ここではその憶測について明確な解答を持ち合わせていないため、仮説に油を注ぐような行為はしない。事態の初期に現れたヒントをまとめて掲載しておくので事の真相を追求したい諸兄達の一助となってくれれば幸いである。

記事の中で「憶測が飛び交うばかりである」というのは、この件で某掲示板にスレッドが立てられ様々な書き込みがされていることを指したものと思われる。
そして、その「三遊亭金時の部屋」の該当記事は次の通り。

”お知らせ。私の一番弟子の金翔が廃業致しました。破門ではありません。本人の希望による廃業です”(2010年12月3日)
『名前を残して、休席にしたらどうか?』 とも提案しましたが、『落語に情熱がなくなりました。師匠も嫌いになりました。今までの人間関係を全て清算したいので、廃業させて下さい!』との事。凄い脱力感。彼の情熱を信じた私がバカだった、て事。彼には落語界で培った事を、これからの人生に、役立てて欲しい。なんてこったい…。

落語家の廃業には二つのケースがあり、一つは本人の意思で辞める場合と、もう一つは師匠から破門される場合だ。サラリーマンでいえば前者は退職、後者は解雇に相当する。上にあげた噺家3人はいずれも本人の意思による廃業のようだ。
落語家の多くは団体などに所属しているが、その組織(協会など)が廃業についてメッセージを出したというのも見たことがない。
本人あるいは師匠から廃業を公表するという例は少ないと思われる。
ひそかに辞めていき、その理由は本人又は師匠しか分からないというのがこの世界のようだ。様々な憶測が飛び交うのもその為だろう。
志し半ばで進路を転換したとしても、落語家として修行した経験は必ず生きるはずだ。
そう信じたい。

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コメント

ちびた蝋燭が風前の灯って、謎かけになってるのかなあ^^。

佐平次様
これじゃまるで「死神」みたいですが、それだけ噺家の生活は大変なんでしょう。
それも承知で入った稼業、やはり好きでなけりゃ出来ません。

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