« ゴキブリがいなくなった | トップページ | 「権ちゃん、そりゃないぜ」#21三田落語会(2012/8/25昼) »

2012/08/23

J亭落語会「柳家三三独演会」(2012/8/22)

8月22日、JTアートホールアフィニスで行われたJ亭落語会「柳家三三独演会」へ。
さすが元専売公社、前庭は広い公園になっていて石のベンチが置かれているが全て灰皿付き。ビル内の廊下の椅子にも灰皿、さあ吸え、さあ吸え。
いくらタバコ会社だからといって、シリアの国営企業にタバコを輸出しちゃぁいけねぇ。人の道に反するぜ。
あんまり悪口書いてると出入り禁止になるかな。
山本美香さんは可哀想なことをした。なんであんな危ない所へなどと思う人もいるだろうが、山本さんのようなジャーナリストがいなけりゃ真実が伝わらない。伝わると困る勢力が彼女を殺したんだろう。
米政府の報道官が会見で哀悼の意を表していた。アメリカは嫌いだが、ああいう所は偉いと思う。
ここの会場は立派だが、縦長なのに傾斜がないので後方の席は見えづらいのが欠点。

<  番組  >
前座・柳家緑太「やかん」
柳家三三「雛鍔」
柳家三三「夏泥(置き泥)」
~仲入り~
柳家右太楼「猫の皿」
柳家三三「佃祭り」

開口一番の緑太「やかん」、名前の通り花緑の弟子、あの若さで弟子が9人もいるんだ。
物怖じしない良い度胸をしている。
言葉がハッキリし「間」も取れていてミスも無し。
前座としては合格の一席。

右太楼「猫の皿」、こちらは権太楼の弟子の二ツ目。
独演会のクイツキに上がるのは嫌だと言っていた、本人に挟まれるから。師匠の独演会では必ず弟子を先に上げちゃんだそうだ。
語り口は明快で良い出来だった。
男が茶店に座り周囲の景色や小川の流れを楽しむ場面がキチンと描かれていた。ここを省略する人がいるがそれではこの噺が死んでしまう。
ノンビリした気分で「こういう景色を眺めていると小さな事なんてどうでも良くなる」と言わせておいて、猫の餌の高価な皿に目が留まると急に欲が顔を出す。その緩急がこのネタの生命。

三三の1席目「雛鍔」、やや急いだせいか平凡な出来。大旦那はもう少しユッタリと喋って欲しい。

三三の2席目「夏泥(置き泥)」で俄然面白くなる。
泥棒モノはいわば「柳」のお家芸、小さんから小三冶、そして弟子の喜多八この三三とDNAが受け継がれているようだ。
短刀を突き付けて、さあ金を出せと迫る泥棒(正確には強盗だけど)。博打に凝ってスッテンテン、生きていても仕方ない、さあ殺せと居直る男。ここで攻守が逆転する。
この先はやれ道具箱だ着物だ米だおかずだと少しずつせびられ、泥棒終いには有り金すべて叩いてしまう。
男と泥棒の珍妙なヤリトリを、それぞれの性格描写と会話の「間」の巧みさで聴かせる。
人間の持つ善意と、その善意にどこまでもつけこむ人間との対比、この噺のテーマは結構深い。

三三の3席目「佃祭り」、「情けは人の為ならず」をテーマとしたネタで、佃島の祭りに出かけた小間物問屋の主が、渡し船の最終便に乗る直前、5年前お金を恵んで助けた女性に引き留められ船の沈没事故を免れるというストーリー。「因果はめぐる糸車」なので、「積善の家に余慶あり」となるわけだ。
人情噺風に演じるのと長屋の騒動を交えて滑稽噺風に演じる二通りがあるが、三三の演出は後者。
次郎兵衛が少し早口なのが気になるが、それ以外は人物の造形もしっかりと描かれていた。佃の女性宅で一杯やるのに通常は遠慮がちにするのだが、三三の演出では嬉しそうに呑んでいる。やっぱり女好きなんだね。女房が焼くのも無理はない。
船頭の辰五郎が実に気風が良い。商店主の次郎兵衛、それに恐らくは職人衆と思われる長屋の住人たち、この人物対比が演者の腕の見せどころ。
三三の歯切れの良さが際立ち、軽快なテンポで楽しく聴かせてくれた。
サゲをカットしたのも、この日の演出からすると適切だった。

三三・三席、段々良くなる法華の太鼓。

|

« ゴキブリがいなくなった | トップページ | 「権ちゃん、そりゃないぜ」#21三田落語会(2012/8/25昼) »

寄席・落語」カテゴリの記事

コメント

まさにだんだん良くなりましたね。
緑太も感心しました。講釈も合格です。

投稿: 佐平次 | 2012/08/23 14:46

佐平次様
お見えでしたか。
緑太は将来性を感じさせます。
三三の後の2席は季節感もピッタリで結構でした。

投稿: HOME-9(ほめ・く) | 2012/08/24 06:13

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/82117/55488464

この記事へのトラックバック一覧です: J亭落語会「柳家三三独演会」(2012/8/22):

» 山本美香さんシリア惨劇の報道内容と事件の責任 [罵愚と話そう「日本からの発言」]
 日本人ジャーナリスト山本美香さんがアレッポで銃撃され死去した事件の責任問題だが、テレビも新聞も事件を美談に仕立てて視聴者の関心が責任問題に向かわないように努力している。  シリアといえば今年に入って30人近くのジャーナリストが命を落としている国で、安全であるはずがない。妹に「安全だ」とメールがついたという報道も、それが事実なら状況判断を誤った彼女の自己責任が問われて当然だろう。  公私ともに最高のパートナー だった事実婚の夫とかいう男が同行していたらしいが、そういうふしだらな関係を正...... [続きを読む]

受信: 2012/08/24 08:36

« ゴキブリがいなくなった | トップページ | 「権ちゃん、そりゃないぜ」#21三田落語会(2012/8/25昼) »