「喬太郎・扇辰・白酒 三人会」(2012/10/14)
10月14日、北千住THEATRE1010で行われた”待ってました!人気落語家競演会「喬太郎・扇辰・白酒 三人会」”へ。
< 番組 >
前座・柳亭市助「出来心(花色木綿)」
入船亭扇辰「目黒のさんま」
~仲入り~
桃月庵白酒「お見立て」
柳家喬太郎「抜け雀」
市助「出来心(花色木綿)」、前座にしては珍しく口演時間20分ということで、マクラも入れての高座。元気よく演じていたが、時間を長く取るなら二ツ目を上げれば良かったのに。
扇辰「目黒のさんま」
先週の喬太郎との二人会と同じ演目。マクラはなかなか来ないエレベーター(丸井館内、ホントの来ないねぇ)や前座が立ち往生したことへのフォロー。
中味は先週とほぼ一緒だが、広い会場(定員は700を超す)に合わせて全体にオーバーな表現だった。私のように先週とダブって来ていた客もいただろうし、別の演目を聴いてみたかった。
白酒「お見立て」
マクラで東武と池袋をこき下ろし、次の出番の喬太郎がまだ楽屋入りしていないことをからかってネタへ。
これで何度目かだが、内容をかなり変えていた。
若いもんの喜助が花魁と田舎のお大尽との間を3回往復するのは一緒だが、前回までは従来通りの演出、
1回目 病気で臥せている
2回目 こじらせて入院
3回目 恋煩いで死亡
(1回目をカットする場合もあり)
だった。
今回は、
1回目 恋煩いで入院
2回目 恋煩いで死亡と告げるが喜助が笑いながら言ったためお大尽に首を絞められ逃げる
3回目 同、膝の下に扇子を置きお茶を眼に塗って泣くふりをする。
この改変はどうなんだろうか。
花魁が亡くなったということを2度繰り返すのは不自然な感じがするし、オリジナルでの入院騒ぎは前半の聴かせどころでもある。
墓参りで3度目の墓が談志だったり、白酒らしいクスグリを入れ込み面白く仕上げているが、今回の改変は疑問が残る。
喬太郎「抜け雀」
白酒が高座に上がってからの到着だったようで、人気者は綱渡りのスケジュールだ。
「竹の水仙」は何度か聴いているが、このネタは初めて。
気になったのは前に泊まった一文無しの職人が通常は衝立をこさえるのだが、喬太郎はこれを屏風にしている。貧乏旅籠に屏風というのもそぐわない感じもするし、絵師の筆の運びからすると屏風のような大きな物では無い。やはり衝立が相応しいように思える。
後から来た老人が鳥かごを描くが、これも通常は鳥かごと止まり木だ。止まり木を省略した意図が良く分からない。
老人が初めに雀が飛び立つ様子を見てから鳥かごを描き、もう一度雨戸と障子を開けると再び雀が飛び出し戻ると鳥かごに収まるという筋立て。
でも雀が飛び出すのは朝の一度だけではなかったか。
老人の来た日だけ二度飛び出しんだろうか。
これもオリジナルのように老人が絵を見てこれでは雀が死ぬぞといいながら鳥かごと止まり木を描き、それから雀が飛び出して鳥かごに戻り止まり木にとまるという筋立ての方が自然だ。
公演時間は2時間。
元々が大きな会場を用意して人気者を並べて集客するという企画だったんだろう。
こういう会はダメですかね。
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