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2012/10/21

#401花形演芸会(2012/10/20)

橋下徹市長に贈る言葉。
【我が身をつねって人の痛さを知れ】
意味は「他人の痛みや苦しみを自分自身の痛みに置き換え、相手を思いやることが大事だという教え」。
英語にも似たような表現があるようだ。
【If strokes be good to give, they are good to get.】
意味は「人を打つのが良いことなら、人から打たれるのも良いことだ」。
今回の週刊誌報道を機に、他人の痛みに対する思いやりや、自分以外の人権を尊重するような人間になって欲しい。
ムリかな。

10月20日、国立演芸場での「第401回 花形演芸会」へ。
前日からの風邪気味で、午前中に医者に行き薬を飲んでというコンディション。
ただ年に一度の爆笑問題の出演とあって、迷った末出かける。
その他今回の花形演芸会は下の番組表を見てお分かりのように上方落語が二人で、珍しく落協からは一人だけというのが特長。

<  番組  >
前座・笑福亭明光「池田の猪買い(序)」
春風亭べん橋「ろくろっ首」    
爆笑問題「漫才」             
ストレート松浦「ジャグリング」               
桂吉弥「愛宕山」             
―仲入り―
桂文雀「伽羅の下駄」          
エネルギー「コント」                   
三遊亭遊馬「蒟蒻問答」    

明光「池田の猪買い(序)」は鶴光の弟子で、芸協所属の上方落語。
上方落語をやりたければ大阪に入門すればと思うのだが、東京で上方をという意向なんだろう。
元気よく明るい高座。

べん橋「ろくろっ首」、これも元は上方で、若いころ三遊亭百生で聴いたことがある。
いつまでも独身でいる男に隠居が婿の世話をする。
相手というのが歳は20歳で資産がある。ただひとつの欠点は夜中に首が伸びること、つまりろくろっ首。
男は仕方なく婿入りするが、夜中に目を覚ますと花嫁さんの首が伸びていた。
慌てて逃げかえるが、隠居は「そんなこと言わねえで、お屋敷に帰れ。お嬢さんが首を長くして待っている」でサゲ。
短縮版だったが語りはしっかりしていた。

爆笑問題「漫才」、相変わらずのテンポの良さ、ボケとツッコミの呼吸と間の取り方、ネタの新鮮さは見事としか言いようがない。
かつてのこのコンビの魅力は社会風刺にあった。TVでは披露できない政治に対する風刺がこの国立では聴けた。そこが一番の魅力だった。
数年前からその社会風刺はすっかり鳴りをひそめ、当たり障りのない話題になってしまった。
一つにはメジャーな存在になってきて、プロダクションやスポンサーからの無言の圧力があるのだろう。
もう一つは、芸能人が少しでも批判的な政治的発言をするとネットで叩かれることから、意識的に自己規制してしまう傾向がありはすまいか。
笑いながらついついそんな事を考えてしまった。

ストレート松浦「ジャグリング」、いつ観ても鮮やか。
最近、寄席や落語会の色物としても登場する機会が増えたが、研究熱心さには感心する。
この日はモップから三角コーンまで登場した。
寄席の曲芸といえば昔から太神楽が代表的だが、いつ観ても全く同じ内容の芸を繰り返している。
この人や若手の曲芸芸人が、寄席の色物を変えていくのではという期待を抱かせる。               

吉弥は今年度の花形のレギュラーとなっている。花形というと何となく東京の芸能人が対象と思われがちだが、これからは上方芸人も積極的にチャレンジして欲しい。
「愛宕山」はこちらも上方がオリジナルで、山登りの前までの賑やかな囃子によるハメモノ、とりわけ山裾で菜の花に蝶が舞い飛ぶシーンで使われる「扇蝶」が楽しい。
タイコモチが鼻歌まじりで登り始めるが、途中から次第に息苦しくなる様の描写が良い。
後半は時間の関係からか急ぎ過ぎたが、この人の持つ愛嬌や華やかさにピッタリのネタで楽しそうに演じていた。
芸人にとって大事なのは「華」と愛嬌で、初代三平なぞはそれだけで大看板になったではないか。吉弥にとっては大きな武器だ。

文雀「伽羅の下駄」は初見。この日出演の落語家では唯一の落協。マクラで伽羅(きゃら)という香木がとても貴重で高価だったと説明。
初めて聴くネタで、怠け者の豆腐屋が大家から小言を食い、早朝から店を開けると、そこに一人の武士(仙台候)。
水を所望して差し上げるとお礼に下駄を置いてゆく。その下駄が伽羅で出来ていて大家にきくと300両の値打ち。豆腐屋夫婦は嬉しくなり、一人はキャラキャラと笑い、もう一人はゲタゲタ。
文雀の江戸弁は歯切れが良く、あまり儲からない噺を面白く聴かせてくれた。
未だ花形のレギュラーになれないと言っていたが、この日の高座を観る限りではその力はあると思う。

エネルギー「コント」、狂言コント、カーナビのネタが一部爆笑問題とかぶってしまったのが惜しまれる。

遊馬「蒟蒻問答」、身体も声も大きく、大物になる期待を抱かせる人だ。
登場人物の演じ分けがしっかりしていて、全体としては良い出来だった。
ただ早口なのと喋りに強弱をつけるため、小さな声の時に聴き取りにくい欠点がある。
細かなミスもあり、そうして点を克服すれば十八番になりうると思う。                    

昨夕から発熱してしまい、今日の国立演芸場での「特別企画公演 芸術祭寄席 昼の部」に行けなくなってしまった。
悔しい~。

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コメント

お体、お大事にしてください。
「爆笑問題」で注目したいのは田中氏の説明能力です。ネタにしようと思っている事件や人物を的確に把握してお客に提供する。その土台があって初めて太田氏の裏返しのギャグが生きてくるんだと思います。

福様
田中が話題を出す、太田がボケル、田中がツッコムというワンパターンですが、この呼吸が良い。
ご指摘のように田中の解説が巧みなので、太田が何を言おうと嫌味にならない、これは田中の芸の力です。
田中はMC向きですね。

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