« 議員と暴力団との癒着「再論」 | トップページ | 劇団、本谷有希子「遭難、」(2012/10/13) »

2012/10/14

古今亭圓菊の死去

Photo10月13日、古今亭円菊が亡くなった。84歳だった。
体を斜めにしながら高座に上がり、斜めにしながら語る独特の圓菊節が懐かしい。
手元に講談社「志ん生落語大全集」があるが、志ん生と一緒に写真に写っているのは息子たちを除けば圓菊が最多だ。なにせ志ん生全盛期に入門した弟子。
若いころの写真では、映画俳優にしたい位のいい男だった。おまけに顔に似合わずボクシングだか空手だかしていたので腕っぷしが強かったとあり、さぞかしモテたんだろう。
その圓菊の「志ん生」評。
【志ん生師匠の弟子の稽古は、文楽師匠や圓生師匠とはずいぶん違っていました。二人とも着物を着て扇子を置いて教えるのに、うちの師匠は上半身裸であぐらをかき、頭の上に手拭いをのせていたりする。その姿を見ている弟子は、おかしくてたまりません。】
二人の稽古姿が目に浮かぶようだ。
志ん朝が健在だった頃の住吉踊りでは、いつも少しテンポが遅れている踊りを披露していたのを思い出す。
私が最後にみた高座では「粗忽の釘」を演じていたが、話が元に戻ってしまうなど衰えは隠せなかった。それでも客席からは大きな拍手が送られていた。
厳しい稽古の結果、有望な弟子を多数育成し、次の世代にバトンタッチしていった。
弟子の文菊(菊六)の真打昇進披露の高座に上がれなかったのは心残りだっただろう。
ご冥福をお祈りする。

|

« 議員と暴力団との癒着「再論」 | トップページ | 劇団、本谷有希子「遭難、」(2012/10/13) »

寄席・落語」カテゴリの記事

コメント

私は末広亭あたりで何度か聴きました。
菊之丞、文菊、遺伝子はのこりましたね。

投稿: 佐平次 | 2012/10/14 10:30

佐平次様
鈴本で圓菊の口演中に携帯が鳴ったんです。そうしたら高座を下りる前にその人を指差し注意していました。
この人らしいですね。

投稿: HOME-9(ほめ・く) | 2012/10/14 16:02

師匠の「井戸の茶碗」のDVDを観ました。
サゲが「仲睦ましく暮らしました」というもので、とても印象に残りました。普通のサゲと異なるので、緞帳も一瞬戸惑っていたように思います。
収録時は病気をなさっていたのでしょうか。衰えは感じましたが、爽やか高座が良かったです。

投稿: | 2012/10/14 21:03

「井戸の茶碗」のDVD未見ですが、元々は講談を落語に移したもので、オチが無かったようです。
恐らく志ん生あたりから今のサゲを入れて滑稽噺にしたようで、もしかしたらこの時の圓菊はオリジナルの演出だったかも知れませんね。
きっと圓菊らしい温かな仕上がりなんでしょう。

投稿: HOME-9(ほめ・く) | 2012/10/15 09:21

圓菊師匠の高座だけでなく、音源でさえうかがったことはないのですが・・・。
川島よしおという人の落語漫画『おちけん』に登場する老師匠のモデルが、明らかに圓菊師匠なんですよ。
恍惚としているようで辛辣、高座では万人を魅了し、いざという時は簡潔で深いアドバイスをするという役所で、
つまり「派手でなくても、正に噺家らしい噺家」でした。
勝手に「御本人もそうだろう」と思っていたのですが・・・。
殿堂入の大往生でしょうね。御冥福をお祈りします。

投稿: 明彦 | 2012/10/15 21:58

圓菊は談志と仲がよかったそうで、真打に昇進したとき心から喜んでくれたとか。得意ネタに「饅頭怖い」とありましたが、志ん生から教わったんでしょうか。好きな噺なので、生で聴きたかった・・・庶民の感性を熟知して、心の琴線に触れる落語を演じたと思います。

投稿: 福 | 2012/10/16 08:01

明彦様
私見ですが圓菊はいわゆる名人上手に列せられるようなタイプではなく、愛嬌と人柄の良さでお客から親しまれた噺家だったと思います。
手話落語や慰問などの活動にも、それが現れれています。

投稿: HOME-9(ほめ・く) | 2012/10/16 08:51

福様
私はなんといっても「粗忽の釘」で、粗忽者夫婦の馴れ初めを語るのに大半の時間を費やし、やや艶笑噺風に演じる独特の演出でした。あとは「宮戸川」のような軽い噺です。
特に女形での写真のような可愛らしい仕種が好きでした。
この度の反響をみても、圓菊が多くのファンに愛されていたんだと、改めて実感しています。

投稿: HOME-9(ほめ・く) | 2012/10/16 08:59

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/82117/55885043

この記事へのトラックバック一覧です: 古今亭圓菊の死去:

« 議員と暴力団との癒着「再論」 | トップページ | 劇団、本谷有希子「遭難、」(2012/10/13) »