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2012/11/07

藤浪投手への期待と不安

2012ドラフトの最大の注目選手といえば、阪神タイガースが1位指名した大阪桐蔭高の藤浪晋太郎投手だ。なにせ阪神はドラフト1位の抽選で12連敗(これってとてつもない確率だが)していただけに喜びは大きい。タイガースファンもこぞって歓喜雀躍。
藤浪は大阪桐蔭の春夏連覇に貢献し、その後の岐阜国体でも優勝。高校3冠達成は松坂大輔を擁した横浜高校以来だ。
順調にいけば将来のエースになる素質を十分に秘めている。
不安があるとすれば、過去に将来性のあった選手を次々と潰してきた阪神の体質だ。

超高校級の投手といえば、オールドファンなら先ず頭に浮かぶのは前岡勤也(旧姓:井崎)だろう。
和歌山県立新宮高校のエースで、2年生の夏の甲子園でベスト4、3年生の夏はベスト8だったが1回戦で優勝候補の筆頭だった浪商高校を破った。
各球団による激しい争奪戦の結果、1955年に鳴り物入りでタイガースへの入団が決まった。
しかし1956-1960年の5年間でたった1勝(4敗)しかできずに終わってしまった。
その原因は、新入団のキャンプ中におこなわれた有料紅白戦に、親会社の希望で無理して先発させて肩に違和感が出てきたためとされる。
さらに卒業式を終えて夜行列車で戻った直後のオープン戦に登板させるなどの無理がたたったようだ。
阪神は1949年の2リーグ分裂の際にレギュラーの3分の2がパ・リーグの毎日オリオンズに引き抜かれ、スター不足だった球団の焦りが、金の卵を潰してしまったわけだ。

同じようなケースでもう一人いる。
1981年のドラフト1位で阪神に入団した源五郎丸洋投手で、高卒ルーキーとしての能力は怪童・尾崎行雄以来と騒がれた。
しかし卒業式に出るため帰省中だったところを、有料紅白戦に出場させるとの理由で急遽呼び出された。その試合後の練習中に転倒し、右大腿部二頭筋断裂で全治4か月の重傷を負った。
ケガが癒えたのちも球威が戻らず、一度も一軍でプレーすることなく4年後の1986年オフには戦力外通告を受ける。
前岡選手と全く同じように客寄せのために無理に出場させられて、選手寿命を縮めてしまったのだ。

今年の阪神、シーズンオフには金本、城島というスター選手が引退、藤川も海外FAで大リーグに移籍することが濃厚だ。
それでなくとも観客動員数が落ちてきた阪神としては、スター選手は喉から手が出る程欲しい。
そうした営業サイドからの過大な要求が、前岡や源五郎丸のような失敗を繰り返さぬとも限らない。
タイガースは育成ベタという汚名返上のためにも、ここは焦らずじっくりと育てて欲しい。

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