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2013/01/31

鈴本1月下席・昼(2013/1/30)

春先のような暖かい日和となった1月30日、鈴本演芸場1月下席・昼の部の楽日へ。これで鈴本には今月3回目となる。
寄席は行きだすと馴れてくるようで、一時期は新宿末広亭に通っていたこともあるが、近ごろはとんとご無沙汰。そういやぁ池袋も久しく行ってないなぁ。何となく鈴本が居心地が良くなってしまった。いつもの通り指定席(勝手に決めてるんだけど)へ。

寄席の楽しみのひとつにお客同士の会話がある。
以前にプログラムをみながら、「あ、次は”きんばら亭馬生”だ」と言ってた人が。
「馬生って、あの人まだ演ってるの?」
「ああ、相当いい年だろうね」
先代と勘違いしてるんだ、聞こえてたら馬生も苦笑だね。
この日も後方の老婦人、”夢葉”を”ゆめは”と読んだり、圓十郎のメクリを見て「次は團十郎よ」。
正解は”えんじゅうろう”です。
さぞかしお役者のような色男が登場かと期待したんだろうが、実際は相撲取りみたいな人が出て来て驚いてた。
この老婦人も一之輔が出てきたら「去年、真打になった人よ」って、なかなかの通じゃん。

楽日というのは休演が少なくて良い。
平日の昼間ながら一杯の入りは、団体も入っていたが、やはり顔づけの良さか。

前座・林家なな子「転失気」
<  番組  >
入船亭遊一「子ほめ」
伊藤夢葉「奇術」  
橘家圓十郎「弥次郎」
金原亭伯楽「親子酒」
大空遊平・かほり「漫才」
春風亭一朝「看板のピン」
柳家喜多八「短命」
柳家小菊「粋曲」  
入船亭扇辰「家見舞い」
~お仲入り~
ホームラン「漫才」
柳家小ゑん「即興詩人」
春風亭一之輔「つる」
翁家和楽社中「太神楽曲芸」  
入船亭扇遊「妾馬」

遊一「子ほめ」
近ごろは女性の噺家が増えて楽屋が華やかになってきたと言ってたが、下手な女流を聴かされるこっちの身にもなってくれ。
師匠に似た落ち着いた高座、抜擢が復活すれば真打をうかがう位置に来てるんで狙って欲しい。
圓十郎「弥次郎」
”私の後からプロが出ます”と言ってたがジョークに聞こえなかった。
その通りだった。
伯楽「親子酒」
父親と妻の会話の中に酒飲みの心理が巧みに描かれている。
この人は芸が老けない、そこが感心する。
遊平・かほり「漫才」
上方の”だいはな”の線を狙ってるんだろうが、いかんせん”花子”のようにアクが強くない。そこが弱点。
一朝「看板のピン」
元は博打打ちで今は隠居の男と、博打好きの男たちの位置関係が鮮明。
そこが生命。
喜多八「短命」
この人得意のパントマイムが効果的。
「目は口ほどにものを言い」の典型。
小菊「粋曲」  
近くの客が”綺麗ねぇ”とため息をついてた。
小菊姐さん、まだまだイケテルみたいですよ。
扇辰「家見舞い」
こういうネタも掛けるんだ。
短縮版だったせいか、いくつか普通と違う点があった。
例えば二人が古道具屋に行き、最初は水瓶を勧められるが高くて買えない。そこで主人からこれならと肥甕を見せられる。”汚ねぇな”と言いながら、二人はそのまま甕をかついで兄いの家に届ける。
通常は川で洗って汚れを落としてから持って行くのだが、ここを省略している。
幾らなんでも汚いままの肥甕を、兄いがそのまま水瓶として使うというのは不自然だ。
後半の二人が兄いから食い物のもてなしを受ける場面が良かっただけに、前半のキズが惜しまれる。
ホームラン「漫才」
2006年に協会加入なので若手扱いだがコンビ歴30年のベテランで、二人ともしっかりした芸の持ち主。
たにし(右)の方が勘太郎(左)より4つ年上だとは驚き。
小ゑん「即興詩人」
一戸建ての水海道から池袋に通勤するサラリーマンの悲哀、そして庭の白木蓮の花びらが舞い落ちてくるのを見て突然詩人になる決心をするというストーリー。
いつもような小ゑんワールド、心地よい。
一之輔「つる」
この人には珍しく不出来。何が良くないかといえば、隠居と八五郎の位置関係だ。
先日の「短命」もそうだったが、会話が友人同士みたいなのだ。
前半の師匠や喜多八の高座に比べ、そこが大きく違う。
扇遊「妾馬」
志ん生流をベースにしながら、妹おつるとの再会シーンでは圓生流にホロリとさせる演出。
時間の関係からやや短縮版ではあったがその分スピーディで、勘所は全てきちんと押えた高座は楽日のトリに相応しい。
この人は上手い。

先の老婦人、両隣は初めて寄席に連れてきた知り合いだったようだが、二人とも良かったと喜んでいた。
房総方面から来た甲斐があったようだ。

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コメント

寄席はいいですね。
やっぱり私の落語原風景です。
人形町末広亭、根津若竹?など行っといてよかった。

佐平次様
ホントは夜の部、志ん陽の初トリも気になっていたんですが、時間の都合がつかずじまい。
私は人形町と川崎演芸場にかろうじて間に合っています。

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