アルジェリアの印象
アルジェリア南東部イナメナスの天然ガス関連施設がイスラム武装勢力に襲撃され、邦人など多数が人質になった事件で、同国の情報相はアルジェリア軍が1月17日に実施した人質救出作戦で武装勢力と人質に死者が出たと発表しました。
この事件でプラント大手「日揮」の日本人従業員らがイスラム武装勢力に拘束されていて、日揮の遠藤毅広報・IR部長は18日朝、日本人3人の無事が電話で確認できたことを明らかにしました。
しかし残りの日本人14人の安否は確認できていないということです。
私は2006年春にアルジェリアを訪問し、13日間かけて主な観光地を周りました。
アルジェリアは1992年から、軍事クーデターやそれに続くテロや暴力行為などでおよそ10万人の人が殺害され、時には外国人もその標的となりました。そのため国際機関を含めた殆どの外国人が国外へ退去し、海外からの旅行者も途絶えました。
2005年になってようやく国情が落ち着き、海外からの旅行者を受け入れるようになっていました。
ツアーに参加したのはその翌年ということになります。
先ず印象的だったのは私たちが乗る観光バス(サハラ砂漠では4WD車に分乗)の前後に、必ず軍の車が付いたことです。一台に4人の兵士が乗車していましたので、私たちは終始8人の兵士によって守られていたことになります。
これは観光中も同様で、私たちの周囲をマシンガンを持った兵士が取り巻き、そのまま移動していました。一度アルジェリア人の男性二人が近づいてきたことがありましたが、兵士が威嚇して立ち去らせました。
ホテルも場所によっては危険なので外出禁止になり、そういう意味では行動は制限されていました。
もう一つ印象に残るのは、時間が実にルーズだったということです。
朝8時に集合ということでホテルの玄関に集まったら車が来ていない。1時間待ってようやく運転手と連絡が取れたら今ガソリンを入れに行ってるとの返事で、結局2時間遅れで出発したこともありました。
ガソリンなぞ前日に入れておくという観念がないんです。
軍が護衛してくれるのは有り難いのですが、彼らの担当区域が決まっていて、境界で次の地域の兵士の到着を待つのですが、これがなかなか来ない。こちらも2時間待ちなんてこともありました。
どうなっているか添乗員が訊くと返事は決まっていて「インシャラー」。つまり「神の御心のままに」ですから、「なるようにしかならない」というのが彼らの回答です。
だからじっと待つしかない。
車の冷房が度々故障し、そうすると暑いので窓を開けるのですが、途端に砂まみれになります。
トイレは青空トイレ、砂漠なので見通しが良く女性たちは傘を持参してきて用を足していました。
ホテルは相当にひどく、ドアの鍵が閉まり、トイレの水が流れ、シャワーが使えればもう言う事なしという設備状況です。あちらこちらに行きましたが、アルジェリアのホテルを経験したらどこの国のホテルでも満足できます。
砂漠の移動の時は、昼食がフランスパンと水だけなんてことも。
空港の保安検査は厳重で、機内持ち込み手荷物は開けられ中身を調べられます。それが時には3回も繰り返されます。
州をまたいで飛ぶときは、出入国カードと同じような書類を書かされることもあり、旅行者は戸惑うことになります。
その一方、タッシリ・ナジェールの岩絵、サハラ南東部に今から8000年前頃に描かれた岩絵が遺されていて、未だジャングルだったサハラの様子を知ることができます。
そして数々の古代ローマ遺跡、カスバなど見所満載で、とても魅力的な国ですが、なにせ国情が大きく異なります。
今回の人質事件でも情報が錯綜していたり、正確な情報が得られないと伝えられておりますが、確かにそういうことは有り得るでしょう。
今はただ人質になった方々の無事を祈るのみです。
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