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2013/02/18

「江戸の四派 花形落語会」(2013/2/17)

落語家の亭号をおり込んだ狂歌を一首。
「三遊や古今橘立川と 柳の林桂春風(さんゆうやここんたちばなたてかわと やなぎのはやしかつらしゅんぷう)」
2月17日、よみうりホールで行われた”民音落語会「江戸の四派 花形落語会」”へ。いささか「冠」名が気に入らなかったが、まあいいかと。
四派とは落語協会、落語芸術協会、立川流、圓楽一門会のことで、今回はそれぞれに所属する落語家が一人ずつ出演するという趣向。順にさん喬、文治、志らく、兼好とくれば、それぞれの派の代表格といっても可笑しくない顔ぶれだ。
17日付朝日の読書欄で田中優子女史が面白いことを書いていた。立川流の噺家はよく本を書くので「本書く派」だと。
本を書く暇があるならもっと本業に・・・、などと言うのは野暮か。きっと有り余る才能を持て余しているんでしょうね。

<  番組  >
前座・柳家さん坊「つる」
三遊亭兼好「初天神」
桂文治「親子酒」
~仲入り~
立川志らく「松竹梅」
柳家さん喬「素人義太夫(寝床)」

開演後に遅れた客が席に着き終わるまで、出番が終わった前座がメクリの傍で待機するのだが、なぜか盛大な拍手がおくられていた。さん坊もキョトンとしていたが、あれはなに? 意味不明。

兼好「初天神」
「笑点でお馴染み、ピンクの着物の好楽の弟子」という自己紹介は初めて聴いた。普段ならそんなこと言わなくとも客は分かってるからか。
兼好を含め4人ともマクラで師匠のエピソードを語ったのは、この日の客層を見てということだったのかも。
この人の「初天神」では、終始親子が手をつないでいるのが特長。父子の情愛を感じさせる。
子どもが一段とこまっしゃくれた口の利き方をするが、なにせ目は兼好だから可愛いらしい。
トップバッターらしい華やいだ高座で楽しませた。

文治「親子酒」
襲名後2度目の高座だが、ますます先代に似てきた。
このネタも先代の演出通りに、全体の7-8割方は父親が酒を呑む場面。始めは遠慮がち、次第に大胆になり、終いには一升瓶を抱えて呑み続ける。その酔っぱらう過程が丁寧に描かれていた。
泥臭さがこの人の持ち味なのかな。
スマホの時代に公衆電話をかけてるみたいな古風な感じが貴重。

志らく「松竹梅」
近ごろ出囃子は「鳩ぽっぽ」より「花嫁人形」が使われている。この方がいい。
マクラで談志の独演会がまるで「信者の集まり」と言った時に、場内からビミョーな反応。
「膝」の位置なので軽めのネタを選んだと思うが、志らくらしいクスグリ満載で面白く聴かせていた。
ただオチが取って付けたみたいであまり感心しない。
立川流の噺家は概して古典のオチを変えて演じる傾向にあるが、成功していない例も多いように思う。

さん喬「素人義太夫(寝床)」
通常のオチまで行かず本人が「素人義太夫」と言ってたので、こちらのタイトルにした。
上方の枝雀の演出をベースにしていたと思われる。
その理由は次の通り。
・茂造が戻るまでの準備期間に、旦那が義太夫の一節を語り喉慣らしする
・長屋の斉藤さんの息子が出張から帰ってきて、病をおして義太夫の席に向かおうとする母親を無理やり押しとどめる
・旦那から義太夫を聴けと命じられると茂造が立ち上がり、両手を広げて「さあ、やれ!」と叫ぶ。
やや集中力を欠いた高座だったように思う。
例えば茂造が長屋の連中の言い訳を語る場面で、豆腐屋が頭(かしら)の後になっていた。この順番は変だ。想像だが、最初に豆腐屋といいかけて提灯屋に直したのが影響したものと思われる。
それと旦那の義太夫が始まってから斉藤さんの息子が来て、長屋の人たちと話すのも不自然だ。あの義太夫の最中に会話ができるとは考えにくい。オチの関係でこういう演出にしたのだろうが、疑問だ。
噺は面白かったが、他の噺家ならいざ知らず、天下のさん喬。
今回は不満の残る高座だった。
*お断り:文中の茂造や斉藤さんといった名前については記憶違いかもしれません、間違っていたらご容赦を。

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コメント

田中さんの紹介していた本は読みたくなりました。
あの人、「落語を愛してない」なんて評する人もいますが、そうは思えない。

投稿: 佐平次 | 2013/02/18 10:28

佐平次様
田中女史は江戸文化に詳しく落語好きでもあるようですが、どうも談志本は読む気になりません。
弟子にはもっと噺の修業をして欲しい派です。

投稿: HOME-9(ほめ・く) | 2013/02/18 12:33

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