市川團十郎の死去
江戸歌舞伎を代表する名門・市川團十郎家当主で、おおらかな芸風で人気を博した歌舞伎俳優・十二代目市川團十郎(本名・堀越夏雄)さんが2月3日、肺炎のため死去した。
66歳の急逝は惜しまれる。
「海老さま」の愛称で親しまれた父・十一代團十郎が、助六や与三郎などが当り役の柔らかな芸だったのに対し、当代はお家芸である歌舞伎十八番での重厚な芸風が特長的だった。なかでも勧進帳の弁慶では現役でこの人の以上の役者はいないと思わせるような舞台だった。
市川團十郎という名跡は落語の世界にもご縁がある。
明治に三遊亭圓朝と並び称された柳派の頭領・初代談洲楼燕枝(だんしゅうろうえんし)は、9代目市川團十郎と親交があり、その縁でこの名を付けたものだ。
もう一つ、三升家小勝という名があるが、これも市川團十郎家の定紋「三升」が由来となっている。
新しい歌舞伎座の杮落としを前にして、先の勘三郎そして團十郎という人気役者を相次いで失い、歌舞伎界としては大きな痛手だ。
ご冥福をお祈りする。
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