【1票の格差】自民党の本音
1票の格差について全国16の高裁で違憲、あるいは違憲状態の判決が出そろった。
なかでも広島と岡山では選挙無効という厳しい判決が示されている。
この判決に、自民党のベテラン議員である中谷元がこう噛みついている。
「国会が決めた選挙のあり方について、違憲とか無効とか、司法が判断する権利が、三権分立上許されるのか疑問だ。立法府への侵害だ」と。
ここに自民党の本音が出ている。できれば定数是正などやりたくないんだろう。
中谷がいうように政府や国会が決めたことに司法が口を出すなということなら、それこそ司法権の否定だ。
それとも自民党はどこかの国のように、政府の方針に沿った判決しか出さない法制度を望んでいるのだろうか。
1票の格差はいま始まったことではない。
私が選挙権を得た約50年前から既に問題となっていた。当時は今よりもっとひどかったけど。
なぜ1票の格差が生まれ、それが是正されないまま来たかといえば、その理由はただひとつ、政権党の利益に反していたからだ。
昔から都市部はいわゆる革新系(もう死語かな)が強かったのに対し、農村部は圧倒的に保守系が強い。
そのため、戦後の高度経済成長を通して農村から都市へ大きな人口移動が行われたが、対応して適正な定数是正をしてこなかった。
その後部分的に定数是正は行われてきたが、歪(ひずみ)は現在にいたるまで残されている。
法の下に平等というのは民主主義国家の基本的ルールだ。
町内会だろうと生徒会だろうと、選挙で「あなたは1票」「あの人は0.7票」「この人は0.3票」なんて決められたら誰でも怒るだろう。
それが最も大切な国会議員選挙で罷り通っているのが、今の選挙法だ。
司法の判断は、不公正なことを不公正だと言っているに過ぎない。至極当然なことなのだ。
国会は出来るだけ国民の声を忠実に反映されたものでなければいけない。
その基本は公正な選挙制度だ。
1票の格差を完全に無くすには、全国一区比例代表選挙にするしかない。
そこまで行かずとも、少しでも近づけるよう選挙法に改めるべきだろう。
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