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« 【3.11の記録】辛い時の俳句 | トップページ | 「朝日名人会」変じて「志の輔独演会」(2013/3/16) »

2013/03/15

落語家の「声」

無声映画からトーキーにかわった時に、かつてのスターの多くが脱落していった。サイレントのころには問題とならなかった訛が抜けなかったり、声が悪くてトーキーに適応できなかったためだ。
このことは、ミュージカル映画の傑作「雨に唄えば」にも描かれている。
かのチャリー・チャップリンがトーキーに移行後もサイレント映画を撮り続けていて、その原因としてチャップリンの声が悪いせいではという噂が流れたことがある。彼は「モダンタイムス」の「ティティナ」で初めて歌声を披露したのだが、その声を聴いて多くの映画関係者やファンが胸をなでおろしたそうだ。
歌手はもちろん俳優など声を出す職業にとって、美しい声を保つのは大切だ。

落語家も話芸というくらいだから声は商売道具。声が出ないことには高座にも上がれない。
特に美声である必要はないが、聞き苦しい声は避けたいものだ。いくら芸達者でも、だみ声やかすれ声、雨蛙のような声は遠慮したい。
しかし噺家の中には明らかに声を潰してしまっている人や、慢性的に声帯に炎症を起こしているんじゃなかろうかと疑うような声の持ち主が少なくない。
声を商売にしている人にボイストレーニングは欠かせないが、噺家がそうした訓練を受けているのを耳にしたことがない。声帯に負担をかけず自然に発声するためにはトレーニングは必須だろう。
一席終えた後の声帯ケアはしているんだろうか。してないでしょうね。
志の輔が言っていたが、独演会が終わると喉が真っ赤に腫れてしまうそうだ。そこへ冷たいビールをキュっと飲む、その時の旨さったらないと語っていた。確かに気持ちは良いだろうが、声帯のためには多いに疑問がある。

声帯ケアの基本は次のようだ。
1.健康でいること
2.ストレッチやウォーミングアップをすること
3.水をこまめに飲むこと
4.できれば咳をしないこと(風邪は大敵)
5.お酒やタバコを控えること
6.睡眠をしっかり取ること
落語家の生活はよく知らないが、どうもこれらに反するような事ばかりではという気がする。
噺家に品行方正になれとは言わないが、せめて出来るかぎり良好なコンディションで高座に上がって欲しい。
プロなんだから、ある程度の努力は必要だ。

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コメント

初めまして。
いつもブログ拝見しています。
噺家でボイストレーニングを受けているのは
さん喬ぐらいだったかと思います。
確か白酒が独演会のマクラで言っていたと
記憶しています。
あとは検診などで念入りにケアしていると
思われるのは志ん輔あたりでしょうか。

ぱたぱた様
貴重な情報有難うございます。
「さん喬」と言われれば納得します。確かに声帯に負担をかけない喋り方をしていますね。
最大の商売道具ですから、やはり手入れは必要なんでしょう。

落語家がボイストレーニングを受けると
かえって面白味がなくなると聞いたことが
あります。ひとりふたりならいいんでしょうが。本当かどうかはわかりません。

ふわふわ様
成る程、全員がオペラ歌手みたいな声になるのも考え物ですね。
落語家は美声を聴かせる必要はないんですが(市馬は別として)、声帯に負担をかけない喋りの訓練は知っておいて損はないと思います。

志ん生が日暮里?の崖の上で下を走る国電の音でも通るような発声の練習していた、というのを聞いたことがあります。
圓生は高座でよくお湯飲んでいましたね。
これも声を守っていたのでしょうか?

声質は変えられないものの、その声をどう活かし表現するように使いこなすか。
という練習していただきたいモノです。

ORION様
私たちが知らないだけで、それぞれの方が独自に努力されているんでしょうか。
声帯の強さは個人差があり、先代圓楽や市馬のように強ければ良いのですが、直ぐに声が嗄れたり掠れたりするような人はケアが大事だと思います。

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