海女(アマ)くない「あまちゃん」の現実
4月からNHK朝の連続ドラマ「あまちゃん」がスタートした。このドラマは海女の北限地である岩手県久慈市が舞台となっている。
海女の歴史は古く、一説には5千年前からとされている。万葉集にも歌われているくらいだから、古代からあったのは確かだ。
海女という漁業形態が存続するためには、
・磯の海産物が豊富なこと
・気候・風土が素潜りに適していること
・漁獲物が高価なもの(アワビが代表的)であること
といった条件があげられる。
実は、この条件に適しているのは世界でも日本と韓国だけだ。
現在、日本には約2100人の海女がいる。地域は多い順に三重、石川、千葉、静岡となる。
韓国はおよそ6000人で、半島沿岸部と済州島で漁を行っている。
しかし我が国の海女の将来はというと、決して見通しはアマくない。
先ずは人数の激減だ。ピークに比べ約8分の1という激減ぶりだ。
後継者、つまり若い人のなり手がいない。一番若手が60代なので、あと10年もすると海女がいなくなる地区もあるという。TVドラマとは異なり、海女という職種は絶滅の危機にさらされているのが現実だ。
そのためか、例えば三重県南部の磯では、多くが韓国海女になっている。なかには不法就労の者もいるが、地元では黙認されているケースもあるようだ。日本人の担い手がいないとなれば、背に腹は代えられない。
海女といえば白い磯着と相場がきまっているが、これは長い歴史からみればごく最近のこと。
それまでは上の図のような腰巻やフンドシが定番だった。これは素潜りの時に邪魔にならず、陸に上がってからも乾きが早いからだ。
そういえば昔、新東宝の映画で前田通子や三原葉子がこんな恰好をしていたっけ。相変わらずいう事は古いねぇ。
大正10年ごろ、時の当局が「風俗上よろしからず」ということで、上も下も布で覆い隠すように指導した結果、今のようになった。何が「よろしからず」だったのかといえば、上半身がむき出しの裸が「風俗上よろしからず」と。
どうも、こういう事になると妙に力が入りますな。
現在、地域によってはウエット・スーツを着用している例もあるようだ(反対に禁止の地区もある)。
海女の操業にとって大事なのは、汚染などの環境悪化から磯を守ることと、磯資源の保護だ。
伝統的な海女文化を守るためには、後継者の育成を含めて課題が山積している。
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