2013年上半期「佳作」選
少し気が早いが、今年上半期の優れた高座を選んでみた。
例年にくらべ喬太郎、白酒、三三といったお馴染みの名前がなく、上方落語家の比率が高いのが特徴的だ。この傾向はこれから強まるかも知れない。
「落語市場」という面で見れば、大阪より東京の方が遥かにマーケットサイズは大きいだろう。市場経済の原理からすれば需要の多い所にサプライヤーが集まる。
現に桂雀々のように活動拠点を大阪から東京へ移す噺家も出てきている。
西風が東風を圧することのないよう、東京の噺家は心せねばなるまい。
以下、順に演者の名前、ネタ、公演日、会の名称を記す。
桂米福「かつぎや」 1/5 にぎわい座名作落語の夕べ
柳家小満ん「寝床」 2/20 小満ん・喬太郎の会
古今亭志ん輔「お直し」 2/23 三田落語会
桂かい枝「堪忍袋」 2/25 上方若手落語会
立川談春「居残り佐平次」 2/27 立川談春独演会
入船亭扇辰「百川」 3/2 入船亭扇辰独演会
三遊亭王楽「ねずみ穴」3/9 花形演芸会
笑福亭三喬「月に群雲」 3/18 芸の饗宴シリーズ
橘家圓太郎「因果塚の由来」 3/23 圓朝に挑む
五街道雲助「よかちょろ~山崎屋」3/30 雲助蔵出し
笑福亭鶴瓶「お直し」4/13 大手町落語会
柳家権太楼「百年目」5/2 鈴本演芸場
笑福亭たま「みかん屋」5/5 大日本橋亭落語祭
五街道雲助「舟徳」6/15 朝日名人会
露の新治「狼講釈」6/22 三田落語会
露の新治「大丸屋騒動」6/22 三田落語会
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王楽の名前があるのはとてもうれしいです。若手のホープでしょうね。
小満ん「寝床」
師匠文楽の十八番ですが、小満ん一流の演出(淡々としているが、味がある)で、結構な一席ですね。
「おい、ごめん被るよ」なんて、旦那の無念と怒りがよく表現されていて・・・
談春「居残り左平次」
これまた師匠談志の十八番。
弟子が師匠の十八番に挑戦するのは、客の側に師匠のイメージが残っているぶん、難しいでしょうね。
投稿: 福 | 2013/06/25 07:01
福様
小満ん、談春はご指摘の通りです。
王楽は持ち前の明るさに加え数年前に比べてどっしりとしてきました。期待の若手に成長しつつあります。
投稿: HOME-9(ほめ・く) | 2013/06/25 08:21
いくつかダブっているのが嬉しいです。
人様ざまといいますが、やはり同好の士は嬉しいものです。
投稿: 佐平次 | 2013/06/25 11:00
佐平次様
恐らく5-6個はダブっていると思われますがいかがでしょうか。
幸兵衛さんのもそろそろ発表の頃ですね。
投稿: HOME-9(ほめ・く) | 2013/06/25 11:36
東京での上方落語家の高座が多いのが、なんとなく嬉しいですし、納得です。
私のことまで気配りしていただいており、恐縮です。
私は、上半期はあくまで選出した高座を並べるだけですが、七月の声を聞いてから書かせていただきますので、ご容赦ください。
それにしても、新治は圧巻でした!
投稿: 小言幸兵衛 | 2013/06/25 22:06
小言幸兵衛様
東京と上方、両方の高座が聴けるというのは良い時代に生まれたなぁと思います。
7月の記事を楽しみにしています。
投稿: HOME-9(ほめ・く) | 2013/06/26 17:17