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2013/06/19

柳家三三独演会(2013/6/18)

6月18日、麻布区民センターで行われた”みなと毎月落語会「柳家三三独演会」”へ。
久々に六本木の街を歩いたが相変わらず外国人の姿が多い。都内でも最も多国籍化している地域だろう。呑み屋も多いが、ここで最後に呑んだのは何年前のことだったか、忘れてしまった。夜の11時を回ってから客がどんどん増え始めたのには驚いた。ここは異国だ。
エアコンを入れたばかりなのか会場へ入ったら蒸し暑い。こういうとこが公営施設ってぇのは気が利かない。席の両側の人が扇子を使っていてその風がこちらに来るので助かった。これじゃまるで鯉昇だね。

<  番組  >
立川志獅丸「六尺棒」
柳家三三「真田小僧」
柳家三三「金明竹」
~仲入り~
柳家三三「木乃伊取り」

「栴檀は双葉より芳し」とは落語の「子ほめ」に出てくる言葉だが、優れた噺家は二ツ目の頃から輝いている。最近(と言っても古いか)では喬太郎、扇辰、一之輔、兼好、そしてこの三三といった辺りは正にそうだ。なかには真打になってから伸び悩む者や足踏みする例もあるが、たいがいは看板を背負っていく立場になる。
三三の良さは何かというと、滑稽噺と人情噺の両方がいけるという点だ。これが、いそうでいない。野球でいえば大谷か。
東京落語では人情噺がこなせないと名人とは言われない。そういう意味で三三は、将来は師匠や大師匠を超える可能性を秘めている。目指すとこは圓生になるだろう。

志獅丸「六尺棒」、元気があり声も大きくて良いが、親父と倅の演じ分けがまだ不十分だ。登場人物はこの二人だけなのだからもう少し丁寧に演じて欲しい。

三三は「真田小僧」と「金明竹」を休憩なしに二席続けた。どちらもノーカット・フルバージョン。いずれも前座噺だが大真打が手掛けているネタでもある。過去には前者では志ん朝、後者では三代目金馬の名演がある。
前座噺といってバカにしてはいけない。上手い真打は上手いが、下手な真打はやっぱり下手だ。
二つとも小僧が出てくる「ツク」噺だが、前者は賢い小僧、後者は愚かな小僧と対照的で、そこを考慮して三三は敢えて二題並べたんだろう。
三三の良さは語りがしっかりしていることと、「間」の取り方が絶妙だ。独自のクスグリも入れて、面白く聴かせてくれた。
ただ三三らしいネタを期待した客には不満だったかも知れない。

三三「木乃伊取り」、このネタの眼目は飯炊きの清蔵の造形だが、三三は今ひとつ。細い体形も影響しているのかも知れないが、「角海老」の二階で若旦那を説得す場面がやや迫力不足。そのため清蔵が独りで酒を呑むシーンが少しダレた。
ここは白酒や扇遊の高座に比べると見劣りがしてしまう。
似たような噺だが、「不孝者」の方がこの人には合っているような気がする。
むろん水準は行ってるのだが、三三に対する期待値に対しては不満が残った。

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コメント

意識的に”基本的なネタ”を手掛けているのかもしれないですね。
ちょっと前までは珍しいネタが多かったような気がします。

佐平次様
「金明竹」は前座話ながら登場人物が多く、東京落語には珍しく関西弁の男が登場する難物です。けっこう実力が試されるネタなのいい選択だと思いました。

いつも楽しく拝読しております。
昨晩(28日夜)の練馬文化センター「柳の家の三人会」に行ってきました。
こちらでも、三三師匠は「金明竹」を演じてくれました。
とても素晴らしかったです。久しぶりにうまい噺を聴けて嬉しくなりました。
これに触発されたのか、トリの花禄師匠の「紺屋高尾」も40分にわたる熱演となりました。
噺家、客席、演目など色々な要素が相まって良い落語会が出来上がるんだなぁと感じた一夜でした。

二ツ目様
それは宜しかったですね。
三三はとにかく何を演らせても水準を行く上手い噺家です。
花緑にはいつも厳しい評をしてますが、「紺屋高尾」だけは推しです。こういう真っ直ぐな高座が似合ってると思うのですが。

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