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2013/06/30

#409花形演芸会(2013/6/29)

6月29日、国立演芸場での「第409回 花形演芸会」へ。
この会は、ふだん寄席ではお目にかかれない芸人の高座を観ることができる。
この日もそうした出演者が含まれていて楽しみだ。

<  番組  >
前座・三遊亭こうもり「都々逸親子」
一龍斎貞鏡「山内一豊」      
三笑亭可龍「両泥」        
カンカラ「時代劇コント」       
三遊亭遊馬「ねずみ」           
―仲入り―
三遊亭遊雀「電話の遊び」 
翁家和助「曲芸」
三遊亭王楽「五貫裁き」 
(前座とゲスト以外はネタ出し)

三遊亭こうもり、前座にしては随分と世慣れしてると思ったら以前は”末高斗夢”の名でお笑い芸人だったようだ。好楽の弟子。
「都々逸親子」は3代目三遊亭円右の作で、学校で都都逸が流行っているという小学生の息子と父親が都都逸合戦をするという噺で、息子の方が上手いというだけのストーリー。
喋りは馴れてるし、都々逸の多くは本人の作だろうからオリジナリティもあるのだろう。
一般的には前座がこういうネタをかけるのは感心しないのだが、キャリアのこともありこの路線で進むのかな。

貞鏡「山内一豊」      
近ごろ講談や浪曲といった芸能分野に新人、それも見目麗しい女性の入門者が増えているようで喜ばしい、後継者がいなくなれば廃れていくのが大衆芸能だから。
貞鏡は8代目一龍斎貞山の娘だが、7代目は有名な「お化けの貞山」。女流講釈師の「四谷怪談」を聴いてみたいものだ。

可龍「両泥」
一仕事した新人の泥棒とベテランの泥棒が道で出会う。
新人はベテランに、道で人とぶつかった時の脅し文句の付け方や盗んだ品物の売り方を教わる。
意気投合した二人が新人の家で一杯呑もうということになるが、部屋に入ると空き巣に入られた形跡。そこでベテランが実は俺の仕事だ。怒った新人に、それじゃ家財道具を分けてやるからと家に案内すると、今度は新人が、「すみません、それ、さっき私 が入った家です」。
初めて聴いた噺で古典なんだろうが出所は不明。
可龍はスッキリした語りで良い出来だった。
当代は3代目だが初代は初代可楽の弟子で後の初代正蔵とのこと。良い名前を貰ったんだから精進して欲しい。

遊馬「ねずみ」
やがては次代を担う噺家に成ると期待される芸協の若手真打の一人だ。
この日も人物の演じ分けがしっかり出来ていて、好演。ねずみ屋の主人の身の上話がダレずに湿っぽくならないのは明るい芸風のせいだ。

ゲストの遊雀「電話の遊び」 
すっかり白髪になっていて、そうか、今までは染めていたから分からなかったんだ。
この噺を理解するには、昔の電話がしばしば混線したのと、それを止めるのに「話し中」と声をかけたという当時の電話事情がある。電話交換手を通して「何番から何番へ」と伝えてつなげて貰った時代の話。
年の癖に茶屋遊びが止められない父親に、若旦那が世間体が悪いから遊びを止めてくれるよう頼む。渋々受け入れる父親だが、それでも何とか茶屋に行きたい。そこで番頭は茶屋に電話を掛けて、電話を通してお気に入りの芸者に唄を謡わせればと提案する。
父御が酒、肴をそろえて電話口から聞こえる芸者の唄にすっかりご機嫌になっていると、そこへ若旦那が戻ってきて・・・。
ハメモノを使った陽気な演出だなと思ったら、元は上方の2代目桂文之助の作らしい。
東京では5代目圓生(俗に「デブの圓生」)が演じたという記録が残っているそうだ。
遊雀はいかにも気持ち良さそうに唄い踊って高座を盛り上げていた。

和助「曲芸」
いつ見ても見事というしかない芸だ、さすが花形の金賞受賞だけある。
こういう芸を見せられると、寄席の太神楽はもう少し技術を磨かねばなるまい。

王楽「五貫裁き」 
このネタは難しいんだろうね。
登場人物が多彩で、町人といっても主人公の八五郎は遊び人から八百屋になろうという男だし、一癖のある大家、因業な質屋の主、その番頭、奉行の大岡越前守、夜回り同心、それぞれが言葉も違って演じ分けなくてはいけない。
王楽は若手ながら重厚感のある高座で良かったのだが、途中の山場でミスが出た。その影響からか、同心の言葉使いがいきなり職人風になってしまったり、やや集中力を欠いた場面があったのが惜しまれる。
すっかりドッシリとした高座姿になり、語り口も良い。
やがて三遊の看板を背負うことになるのだろう。

初めて見る人、珍しい噺、そして若手の成長も実感できて満足。

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コメント

カンカラ、和助以外はよく知らない人ばかり、そういうときってなかなか切符を買う気になれないのですが、行けばよかった。

佐平次様
「三白一兼」の次の世代の若手たちで、これからどう成長するか楽しみです。
落語協会がゼロというのも珍しいです。

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