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2013/07/02

【ツアーな人々】「空港に置きざり」は誰の責任?

最近、ある旅行社から海外パッケージツアーの案内に太字で次の文章が注意書きされていました。
日本及び渡航先国の出入国関連法により搭乗、もしくは出入国できない場合の責任は負いかねます。」
ああ、あれだなと直ぐに分かりました。
6月初めに報道された、添乗員付きツアーで男性客がロンドンの空港に置いてきぼりにされ、旅行社との間で係争に発展しているという件です。
6月5日付河北新報の記事によれば内容は次の様です。

<引用開始>
添乗員付きの欧州ツアー旅行で英国のヒースロー空港に置き去りにされ、精神的苦痛を受けたとして、
仙台市若林区の50代男性が6月4日までに、ツアーを計画した大手旅行会社阪急交通社(大阪市)に慰謝
料など計40万円の損害賠償を求める訴えを仙台地裁に起こした。
男性の代理人によると、同様の訴訟は珍しい。男性は「会社は責任を認め、過失のない旅行客の立場に
配慮した対応をしてほしい」と強調する。
訴えによると、ツアーには男性ら26人が参加。ことし1月、スペインやポルトガルを訪れ、ヒースロー空港で帰国手続きを取った。テロ警戒で手荷物検査が厳しく、男性と女性添乗員、女性客の計3人が無作為で選ばれ、再検査を受けた。
添乗員と女性客は先に再検査を終え、搭乗ゲートに移動。添乗員は男性が遅れる旨をゲートの係員に
知らせた後、係員の指示で成田空港行きの航空機に移った。男性も再検査を済ませてゲートに駆け付け
たが、出発に間に合わなかった。
添乗員は携帯電話で男性に「飛び立つので(男性は)もう乗れない。頑張って帰ってきてください」と伝えたという。
男性は現地の旅行代理店を通じてホテルを予約。英語があまり話せないため道案内などのガイドを依頼し、ホテルに1泊し、別の航空機で帰国した。宿泊費やガイド代は自分で負担したという。
被害の弁償などをめぐり、男性は旅行会社側と何度かやりとりしたが、帰国後、会社側から「会社に過失はなく、金銭の補償はしない」といった連絡があったという。
男性側は「安全に旅行できると思って添乗員付きのツアーを選んだ。添乗員は空港に残って男性の安全確保に力を尽くすべきだった」と主張。阪急交通社の担当者は「裁判になったことは誠に残念。法廷で見解を述べる」と話している。

<引用終り>

よく旅行パンフレットの後ろに「旅行約款」とか「旅行条件書」という名称で契約者が掲載されていますよね。小さな字でゴチャゴチャ書かれているので読む人は少ないでしょうが、「旅行社の免責事項」の中に「官公署の命令」や「出入国規制」による損害が例示されています。
これを文字通り読めば、空港のセキュリティチェックのために乗り遅れても、それによる損害を旅行社は補償しないということになります。

一方、客の立場からなぜ添乗員付きのツアーを選ぶかといえば、第一にトラブルが起きた時に添乗員が解決してくれることを期待しているからです。逆にいえばトラブルが全く無ければ敢えて添乗員の必要性が感じられない。
そうした観点から前記の「置き去り」トラブルに対する添乗員の対処ついていえば、
①ツアー客の乗り遅れがないよう、空港到着に十分な時間の余裕を取っていたか。
ヒースロー空港の場合、長距離便では出発3時間前にチェックインするよう勧められている。これが守られていればいかに保安検査に時間がかかっても乗り遅れは避けられただろう。
②男性客が手荷物の再検査が長引いていた時に、添乗員が(直接又は地上係員を通じて)検査係員に対して、出発時間が迫っているので間に合うように急いで欲しいという要望を伝えていたか。
③男性客の乗り遅れが避けられないと分かった時点で、添乗員が現地旅行社(必ずある)に対して男性客をフォローするよう連絡を取っていたか。
添乗員は出発直前に男性客に携帯で連絡しているので、現地旅行社に対しても連絡は可能だっただろう。

上記の諸点が実施されていたら、旅行社としての責任は果たしていると言えます。
もし一つでも欠けていたとしたら、客の側から求める添乗員の義務を果たしていなかったと見なし、何らかの補償を求める事になるでしょう。
裁判になるというのでどのような判決が出るか分かりませんが、恐らくそうした具体的な点を考慮した判断になると思われます。

なおネットの一部から、添乗員が乗り遅れた男性客と一緒に空港に残るべきという意見が出されていますが、それは無理です。添乗員は最終到着空港までの責任を負っていますので、25名のツアー客がいる出発便に搭乗したのは当然のことです。

付け加えれば、この男性客が海外で使える携帯電話を持っていたので自分で現地旅行社に連絡が出来たことと、40万円もの資金を持っていた(クレジットカードかも)ことは不幸中の幸いでした。
とにかく自力で日本に戻れたんですから、その点は良しとすべきでしょう。

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コメント

ギリギリとまではいわないまでも余裕のない行程を組んだのかもしれないですね。
なにもなければ貪欲なのが客の要望でしょうし。
これからもありうるトラブルでしょうから、旅行社は読みやしない約款で逃げることなく対処することを検討すべきだと思います。添乗員を残すのは無理ですが在外協力会社と契約しておいて、そのリストを旅行社にあらかじめ渡しておくなど。

さっきの拙コメント、あとの旅行社は旅行者でした。

佐平次様
現地旅行社の電話番号が分かっても海外の公衆電話から相手先に連絡するのは難しいことがあります。この男性はたまたま海外で使える携帯を持っていたから良かったのですが。
やはり添乗員が現地スタッフに連絡し、客をピックアップするよう手配すべきだったんでしょう。

どうもその余裕がなかったように感じられます。ギリギリまで待っていたのでしょう。
役人の出方がわからないからなあ。
いろんなケースを想定して対応策をつくっておくべきなのでしょうが、さて今度は日本の旅行社にそういう体制(精神的)があるのか?

佐平次様
その辺りの詳細が不明なのです。
今回の件について阪急交通社側の見解が訊きたいですね。少なくとも添乗員に何ら過失がなかったのかどうか、そこは重要な所です。
これから利用しようとする人たちにとっても知りたい事ではないでしょうか。

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