なぜ酔っ払いはタクシー運転手に暴行するか
10月には有名人やしかるべき地位の人によるタクシー運転手への暴行事件が相次いだ。
11日には女優松雪泰子さんの弟で歌手の松雪陽こと松雪陽平容疑者(34)が、渋谷区内の路上で50代のタクシー運転手の男性に対し、足を複数回蹴るなどの暴行を加えた疑いで逮捕された。男性は骨盤を骨折するなどの全治2週間の重傷を負った。
14日には、サッカー元日本代表の前園真聖元選手(39)がクシー運転手(45)を蹴るなどしたとして、暴行容疑で逮捕された.
16日には、集英社の「週刊ヤングジャンプ」編集長である嶋智之容疑者(46)が、自宅近くの路上でタクシーを降りる際、支払いを求めた男性運転手(66)の両腕をつかんでねじったうえ、「ぶっ殺すぞ」と脅して料金710円を支払わなかったとして、こちらは強盗容疑で逮捕されている。
いずれの事件に共通しているのは容疑者が酒に酔っていたことと、分別のある大人が自分より年上に対して暴力を振っていたことだ。
酔っていてよく憶えていないと犯行を否定しているのも共通点だ。
ここで注意しなくてはいけないのは、いくら酔っていてもその時点では本人に自覚はあるということだ。
私も酒飲みだから前後不覚の深酔いは経験しているが、必ず自宅には戻っている。出張などで見知らぬ土地で記憶がないほど酔っぱらったことも何度かあるが、目が覚めるとちゃんと宿泊したホテルの自分の部屋にいる。他のホテルや別の部屋にいたなどということは一度もない。だから自覚はちゃんとあるのだ。
憶えてないというのは、翌日に目を醒ました時に前日の記憶がないという意味で、そこは間違えないで欲しい。
だから酔って暴力をふるう相手というのは、必ずといって良いほど、立場の弱い人が対象になる。自分より上位の人間や権力者、腕力の強い人には向かっていかない。
たまたま身近にいて立場の弱いタクシー運転手が狙われるのは、そのためだ。
恐らく、普段から本人が抱いている「弱い立場の人間を見くだす」という潜在意識が、泥酔により抑制が外れてしまうのだろう。家庭で女房子どもに暴力をふるうのも同じ理由だ。
いくら酔っていてもタクシー運転手を殴る人間はごく一部なのだ。
今どきはそんな事はないだろうが、一昔前の慰安旅行などというと、女子社員の身体を触りまくっていた男っていうのは必ずいたものだ。
酔っぱらうと女性の身体に触りたがるというのも、本人に自覚があるからだ。間違っても男の身体には触らない、
酔って触りたがる人がいる一方、そうでない人はいくら酔ってても触らない。
だから酔っぱらうことにより、その人の「本性」が露わになると考えた方が良い。
さる大学の副学長にして専門学会会長であり、その道の権威者という人物と仕事上のお付き合いがあった。退官後は紫綬褒章も受章した、社会的には極めて立派とされる人物だ。
ところがこの人が酔うと途端に乱れ、卑猥な言葉や女性性器を大声で連発するのだ。酒乱でないのがせめてものミッケモノ。
タクシーで自宅まで送るのだが、運転手を雲助呼ばわりし始めることがある。
一度相手が怒って、車から降ろされそうになってこちらが平身低頭で詫びて収めたことがある。
彼を見て、普段は仮の姿なんだなと思った。
だから自分の本性が卑しいという自覚がある人は、深酔いしないよう注意した方がいい。
え、私ですか? 私は大丈夫ですよ。
だってそんな事した憶えがないもの。
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たしかに触りたくはなるなあ。
投稿: 佐平次 | 2013/10/23 11:04
佐平次様
相手によりますが。
投稿: HOME-9(ほめ・く) | 2013/10/23 13:09