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2013/10/05

なぜ企業は不正を隠ぺいするのか

10月4日、みずほ銀行が暴力団など反社会的勢力への融資を放置した問題で、持ち株会社みずほフィナンシャルグループの岡部俊胤副社長が東京都内で記者会見した。みずほ銀が取引に気付いた2010年12月の時点から、法令順守を担当していた元副頭取(現在は退任)が事実を把握していたことを明らかにした。
この元副頭取は代表取締役も務めるナンバー2だった。みずほ銀はトップは知らなかったとしているが、経営中枢の2人いた副頭取のうち1人が事実を把握しながら放置してきたことになり、法令順守に対する姿勢が問われる。
その元副頭取は既に退任しているので、知らぬ存ぜぬで逃げ切る気だろう。

頭取に報告をしていなかったというのはウソだろう。副頭取から必ず報告が上がっていた筈だ。
こういう時にトップのセリフは決まっていて「私は聞かなかったことにしましょう」。つまり問題が表面化した時には、自分は責任を取りませんよと宣言するのだ。「その時は、責任はあなたが取って下さいね」というわけだ。
副社長だの副頭取なんていう職務はシャツの三つ目のボタンと同じで、あってもなくても良い存在だ。
不正が発覚した時にトップに代わり責任を被るのが唯一の仕事みたいなものだから、仕方ないんだろう。
かくして、頭取は知っていながら知らない素振り、
♪それがぁヤクザぁの 恋なのさぁ♪
というわけ。ウソだと思うなら、本人に訊いてごらん。

それはさておき、今回のみずほの件も含めて、企業というのは不正を存在しても隠蔽したり先送りしたりするのが常套手段だ。JR西日本しかり、JR北海道しかり、東電しかり、いや殆んどの企業で多かれ少なかれそうした行為が行われていると考えた方が良い。
その理由は簡単で、表沙汰になった時に自分が責任を取らねばならないからだ。担当者はもちろんの事、管理する立場にあった人も責任を取らされる。
企業には人事異動があり、役員なら任期がある。その期間を過ぎれば、仮に問題が発覚してもさかのぼって責任を問われることは先ず無い。

私の勤めていた会社で、ある支店の営業マンが5億円を着服して告発された事件があった。着服は十数年にわたって行われていたが、新任の支店長がこの不正を発見し、本社と相談のうえ告発したものだ。このニュースは地方紙に掲載されて世間にも公になった。
むろん本人は懲戒解雇だったが、実はこの時の支店長も責任を取らされ左遷されてしまった。
この男が着服をはたらいていた期間に、支店長は数名交代している。それらの人物の誰も責任を取らされなかったのだ。なかには事件公表時には取締役になっていた人までいたのだが、一切お咎めなし。
では歴代支店長は誰も気が付かなかったのかというと、そうは言えないようだ。
この支店の長く勤務していた社員が私の同期だったので話を聞いたところ、以前から金遣いが荒いなど不審な点があったので何度か歴代支店長には不正を調べるよう進言していたとのこと。
ところが誰も耳を貸さず調べようともしなかったそうだ。どうやらその着服社員が、高額の商品をせっせと歴代支店長に付け届けしていたのが利いていたらしい。
つまり自分が任期中に不正が明らかにならなければ責任を免れるとしたら、誰もが不正にフタをしたり見て見ぬふりをしたりするだろう。

不正を暴いた人は褒賞され、不正が行われた当時の監督者がさかのぼって責任を取らされるというルールにしない限り、企業の問題先送りや隠蔽は絶対に無くならない。

【追加】10/8
10月8日、みずほ銀行の佐藤康博頭取は暴力団への融資を放置した問題発覚後、初めて記者会見し、問題融資を銀行として把握した2010年12月、当時頭取だった西堀利氏にも取引実態が報告され、事実を把握していたと発表した。
やっぱりね。


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コメント

かつて現場の不祥事がばれたときに私はこれは管理者である自分の責任であると言ったところ本社からこっぴどく叱られました。
「初めて聴いた今聴いた、もし事実なら厳正に処分、、」が決まり文句だったのです。
しかし私の引責発言でメデイアの追及はやみました。彼らは管理部門にも問題ありと知っているのですから隠すとなおのこと追求激しくなることもあったということでしょう、いつもそうとは限りませんが。

佐平次様
本来トップには都合の良い情報も悪い情報も伝わらなくてはいけない筈すが、実際には良い情報しか伝わらず、悪い情報は「聞かなかったことにする」と切り捨てられる。
これでは企業の不正はいつまでも温存されることになります。
恐らく政府も同様なのでしょう。

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