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2013/12/20

県民ホール寄席300回記念スペシャル企画(2013/12/19)

12月19日、神奈川県立音楽堂で行われた「県民ホール寄席300回記念スペシャル企画“県民ホール寄席に縁の噺家六人衆”華の競演会」へ。
県民ホール寄席は33年の歴史をもち300回を重ねた。その記念企画として小三冶、喬太郎の独演会に引き続き人気落語家6人が顔を揃えた。
過去の出演者とネタがリストアップされていたが、5代目小さん、志ん朝、談志、米朝、枝雀といった錚々たる顔ぶれ。亡くなった人も多い。
なぜこの会へかというと、前の2回の独演会はいずれもチケットが取れず、この会だけが取れてしまったからだ。
この劇場は駅からの登り坂が急なのと、座席が狭いので苦手。ロビーで生志が新刊のサインセールをしていたが、近ごろの噺家は本ばかり書いてる。どっちが本業だか分からん。

<  番組  >
出演者全員「口上」
立川談春「桑名船」
柳家花緑「つる」
立川志らく「親子酒」
~仲入り~
柳家三三「橋場の雪」
立川生志「道具屋」
柳家市馬「掛取り」

「口上」、司会の談春にシニカルな響きが感じられたのは、6人まとめてという企画に多少不満があったんだろうか。同じ300回記念で喬太郎は独演会なのに、なぜ俺たちはが。確かに談春一人でもこの会場を満員にできるからね。談春と志らくの「お約束」のじゃれ合いやら、県民ホール寄席の思い出やら、思い出が無いやら。面白可笑しく会場をワッと沸かして終了。

談春「桑名船」、先日の「談志まつり」と同じネタ。前回と同様に今ひとつ気分が乗らない高座だった。この人は独演会では良いのだが、こういう大勢の会では概して出来が悪い。

花緑「つる」、今どき”じぇじぇじぇ”だの”今でしょ”だの、前座だって演らないぜ。そいいうセンスのズレをこの人には感じるのだ。鶴の語源を教えに行く先の人は通常大工だが、花緑は床屋にしていた。

志らく「親子酒」、父親が禁酒を破って独りで酒を呑みながら悪口をいう場面が面白い。円丈が「落語家の通信簿」とかいう本を書いているそうだが、他人の芸をとやかく言うほどの芸人かいと思ってしまう。新作は評価するとしても、少なくとも円丈の古典は真打の下位レベルだ。談志や志らくは酷評されていて、志らくはそれが面白くないようだ。談春に対しては”上手いが人の心を打たない”と書いてあるらしく、それだけはその通りだと言っていた。同感。時々見せる時事評論には鋭さがあり、この人は本筋よりギャグが持ち味のようだ。この日一番会場を沸かしていた。

三三「橋場の雪」、良く似ているが「夢の酒」とは別のネタ。似てる筈で元を辿れば同じ噺、改作を重ねるうちに別の演目になってしまった。
夢に出る若旦那の相手の女性も「夢の酒」では新造だが「橋場の雪」では後家で、若旦那が浮気に及ぶまでのストーリーも後者の方が複雑だし、小僧の定吉が重要な役割を果たす所も特長だ。
普段だともう少し情緒があるのだが、時間にせかれて急いだせいかその部分が薄目になってはいたが、さすがにこういうネタは三三は上手い。

生志「道具屋」、前座噺だが上手い真打の手にかかるとここまで面白くなるという典型。正味10分程度で切り上げたがテンポが良く、古道具に猪瀬の5000万円を入れたカバンを登場させるなどコンテンポリーなクスグリも入れての楽しい1席にまとめていた。

市馬「掛取り」、年末恒例のネタで、ここ数年毎年この時期になると市馬の「掛取り」を聴いている。落語なんだか歌謡ショーなんだか分からないが、とにかく賑々しく会場を盛り上げて目出度くお開き。

休憩を除けば2時間15分でこれだけの番組をこなしたわけで、良く言えば手際がいい、悪く言うと粗っぽい、そんな印象だった。

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コメント

3割打者ばかりの会、と申しましょうか。
「掛け取り」は市馬の代表作になるでしょうね。初めて聴いたのは、「浅草演芸ホール」でしたが、呼び出しの声が見事でやんやの喝采を浴びていました。

福様
仰る通り3割バッターが揃いましたが、それで試合が勝てるというわけじゃない。少々中身が薄味でした。
市馬の「掛取り」は最早暮れの風物詩です。

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