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2013/12/19

『SEMINAR/セミナー』(2013/12/18)

12月18日、紀伊国屋ホールで行われた翻訳劇『SEMINAR~セミナー~』へ。
2011年NYで上演とあるから、日本初演だろうか。
たまたま広告を見ていたら栗山民也の演出とあり、それならハズレは無いだろうと見込んでチケットを購入した。出演者の顔ぶれが面白そうだというのも、もう一つの理由。

作:テレサ・リーベック
翻訳:芦沢みどり
演出:栗山民也
<  キャスト  >
北村有起哉/レナード:有名作家で編集者
黒木華/ケイト:作家志望の金持ちの令嬢
黒川智花/イジー:性的魅力と大胆さで男たちを翻弄する作家志望の若い女性
相葉裕樹/ダグラス:叔父が有名作家の、作家志望の若者
玉置玲央/マーチン:自己主張の弱い作家志望の若者。レナードに批判的

ケイト、イジー、ダグラス、マーチンという個性もキャリアも異なる4人の作家志望の若者が、有名作家で今は編集者のレナードによる10週間5,000ドルのセミナーに参加する。生徒4人それぞれに作品を書かせ、レナードがそれを読んで講評するという形式のセミナーだ。
ケイトの作品は読むに値しないと酷評され、ダグラスの作品は中身が無いと批判される。たった2枚の原稿のイジーをレナードは高く評価するが、作品ではなく彼女の振りまく性的魅力にレナードが惹かれているのは明らかだ。そしてマーチンだけがいつまでも作品を出さず、レナードから臆病者とののしられる。
時にその批判の矢は本人の人格にまで向けられ、生徒たちは反発する。なぜそこまでレナードは冷徹になれるのかと。
そんな時、業界筋から聞いたと言ってダグラスがレナードのスキャンダルを暴露する。それは、かつて流行作家であったレナードが教え子の作品を盗作した疑いで世間から見放されたというものだ。生徒たちがその疑惑をレナードにぶつけると、第三差のような口ぶりで彼の半生が語られる。
果たしてセミナーの行方は、4人の若者の未来は、レナードの真意は・・・。

全編ディスカッション・ドラマだ。
高尚な文学論から下世話な話まで。ミステリアスな部分もあるし、男女の愛憎劇もあれば際どい場面もある。
シニカルでありながら情熱的、終幕では若者たちそれぞれの明るい未来も示唆されていて後味は悪くない。
テンポの良さはオリジナルなのか、又は栗山民也の演出によるものだろうか。
芦沢みどりの翻訳もコナレテいてセリフに不自然さがない。
小説に限らず詩歌や俳句など文学の世界では師弟間、あるいは編集者と作家との間に男女関係が生じることはさほど珍しくないようだ。そんなエピソードも折りこみ、楽しい娯楽作品に仕立てられている。

一見すると冷徹で不道徳的であり、暗い過去をひきずりながら若者たちの将来も見据えているという複雑な性格のレナードを演じた北村有起哉に圧倒液な存在感がある。セリフ回しや雰囲気がますます父親に似てきた。
若者を演じた4人の俳優はいずれも好演。なかでもレナードに反発しながら惹かれあうマーチン役の玉置玲央の演技が光る。

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