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2014/02/13

『もっと泣いてよフラッパー』(2014/2/12)

昨朝起き抜けに女房が「日本人がメダル取ったわよ」というから「なんの競技?」と訊いたら、「スノボの、えーと、なんと言ったかしら、あゝ”パイプカット”」。惜しいねぇ、確かにパイプを横にカットした形だが、あれは”ハーフパイプ”。何しろDVをAVと言い間違える人だからね。
五輪報道は相変わらず「メダル第一主義」、メダル獲得者を讃えるのは当然としても、届かなかった選手へバッシングする風潮があるのは困ったものだ。自然の中で行われる大会だから天候による運不運は避けられない。
勝った人も勝てなかった人も笑顔で迎えよう。

そんなわけで2月12日、Bunkamura25周年記念公演『もっと泣いてよフラッパー』を観劇。
wikiによればフラッパーは、【1920年代に欧米で流行したファッション、生活スタイルを好んだ「新しい」若い女性を指すスラング。それまで女性らしいとされてきた装いや行動様式ではなく、膝丈の短いスカート、ショートヘアのボブカット、ジャズ音楽などを好んで、濃いメイクアップで強い酒を飲み、性交渉、喫煙、ドライブを積極的に楽しむという、以前までの女性に求められてきた社会的、性的規範を軽視した女性たちを意味する】とある。ただ日本語としては「はすっぱな女」という語感で使われてましたね。
本作品は串田和美が1977年に書いたオリジナル戯曲で、オンシアター自由劇場が初演。以後なんどか再演され、今回は22年ぶりの再演とある。私もタイトルは知っていたが、観るのは初めてだ。

作・演出・美術=串田和美 
作曲=越部信義/八幡茂/乾裕樹 
音楽監督・編曲=ダージリン(佐橋佳幸/Dr.kyOn)
<  主なキャスト  >
トランク・ジル(踊り子):松たか子
旦那アスピリン(黒手組の首領):松尾スズキ
お天気サラ(踊り子):秋山菜津子
青い煙のキリー(踊り子):りょう
クリンチ・チャーリー(八百長ボクサー):大東駿介
フラポー(ベンジャミンの許婚者):鈴木蘭々
月影ギナン(踊り子):太田緑ロランス
銀色パパ(銀色ファミリーのボス):串田和美
コミ帝国の皇太子:片岡亀蔵
シカゴタイムズの新聞記者・ベンジャミン:石丸幹二

物語は1920年代の空想のシカゴ。
様々な過去を背負った女たちがキャバレー「ラ リベルテ」の踊り子としてショウに出演している。
ここに集うのは店を仕切るギャングやその対抗勢力、八百長ボクサー、地方紙記者、異国の皇太子などの人物。
踊り子たちはそうした男どもと出会い恋に落ち幸せをつかみかけるが、いずれも不運な結末を迎える。
しかし踊り子たちは不幸を乗り越え、今日もまたステージに立ち歌い踊るのは「もっと泣いてよフラッパー」。
禁酒法とジャズとチャールトンの「狂乱の20年代」を背景に、新しい時代の到来と男女の恋模様を描いた音楽劇。

おもちゃ箱をひっくり返したような舞台というイメージでいたが、ギャング団の対立は「ウエストサイドストーリー」を思わせるし、男女の恋物語はまるで昔のハリウッド映画の筋書の様だ。
1920年代が舞台だから古臭くなるのは当然としても、せっかくRoaring Twentiesを描いたのであれば、フラッパーが当時の社会に与えた影響に触れていれば、もう少し物語に奥行きが出たのではなかろうか。
そんな難しい理屈は抜きで歌と踊りで楽しんで欲しいという主旨かも知れないが、戯曲が書かれてから30数年、前回の公演から数えても22年経った。その間に数多のブロードウェイミュージカルが日本でも上演され、振り付けや俳優たちのダンスの技術も向上した。同時に観客の眼もレベルアップしている。
そうした観点からみると、ミュージカルとして満足感を与えたとは言い切れない舞台だったと思う。
それは客席の反応にも表れていたように思う。

出演者たちは一人で何役もこなし、特に男優たちが揃って楽器の演奏を行うパフォーマンスは見事だった。
主役の松たか子は舞台映えする。声がいいので歌を聴いていると心地良い。彼女が私の顔を見てニッコリ笑ってくれた(ような気がした)ので、それだけが満足です。
カーテンを使った舞台装置の転換は素早く、工夫されている。

公演は3月2日まで。

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コメント

越後にいた時、「上海バンスキング」を観た時のことは、いまだに忘れません。
ジャス喫茶(飲み屋?)仲間と一緒に行ったんです。
客を送り出す時にも出演者が演奏で送ってくれました。
最初のフラッパーは、テレビですが観ました。
個人的には、吉田日出子でなければねぇ、と思ってしまいます。
しかし、串田の作品なので、なんとか行きたいとも思っていますが・・・落語と日程調整しないといけません^^

小言幸兵衛様
作品の出来としては上海バンスキングの方が上だと思いました。演奏で客を送るのもミモノの一つでした。
松たか子は良かったですよ。声はいいし声量もあるし。ただ芝居全体としては今一つ満足感が得られなかったというのが感想です。

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