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2014/02/14

村上誠一郎の「たった一人の反乱」

村上誠一郎元行革担当相が、安倍首相の憲法解釈に咬みついた。
2月13日の衆院予算委で、安倍は憲法改正ではなく解釈変更により集団的自衛権の行使を容認できるか問われ、「(憲法解釈の)最高の責任者は私だ。政府答弁に私が責任を持って、その上で私たちは選挙で国民の審判を受ける。審判を受けるのは内閣法制局長官ではない。私だ」と答弁した。
この答弁に対して13日の自民党総務会で村上が「選挙に勝てば憲法解釈を自由に変えられるのか。危うい発言だ」と批判した。首相の判断で解釈が決まるとなると、政権が変るたびに憲法解釈が変更され、憲法の安定性が損なわれることを危惧したものと思われる。
他の議員からも同調する意見が出され、野田聖子総務会長は記者会見で「首相官邸と連絡を取り合い、誤解がないようにしたい」と述べた。

村上誠一郎は愛媛県選出の衆議院議員で当選9回、あの村上水軍末裔18代目の当主だ。歯に衣きせぬ言動で政権からは鼻つまみ者扱いを受けている。
最近では「特定秘密保護法」を「安倍の趣味」と切り捨て、自民党の中でただ一人本会議を欠席し棄権したのは記憶に新しい。
村上によれば、学生時代に読んだエーリッヒ・フロム「自由からの逃走」がその原点なのだそうだ。
ワイマール憲法の下でナチスによる独裁政治が誕生したあの時代のドイツを分析した書で、自由な言論・政治活動を貫くことがどれほど困難か、いかに人間というのは弱い生き物であるかが明らかにされている。安倍政権下の日本の国家と民主主義のあり方を論議する中で、この著書が蘇ってきたというのだ。
秘密保護法の前身というべき26年前の「スパイ防止法案」の時は、自民党内に法制化の反対する意見が根強く見送りとなった。それに対して今回は村上誠一郎の「たった一人の反乱」に終わってしまった。

安倍政権の外交政策についても村上は批判している。
歴史から何を学ぶのかという点で村上は、普墺戦争でドイツがオーストリアに勝利した際、ビスマルク首相がドイツ軍がウィーンに凱旋行進するのを一人でやめさせた例をあげている。オーストリアに必要以上に敵愾心を持たせぬようという判断からだった。
その後に起きた普仏戦争で、結局オーストリアは参戦せずドイツはフランスに勝利することができた。
村上はこう語る。「政治指導者というものは先を読んだ対応が必要だ。自分の感情を優先するだけでは国民を不幸にする」。

「たった一人の反乱」ではあるが、未だ自民党の中にもこうした良心が残されていることを村上誠一郎は示している。

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コメント

たった一人というのが悲しいけれど、ゼロよりは。

投稿: 佐平次 | 2014/02/14 16:52

佐平次様
リベラル派全滅状況の中で孤軍奮闘。党内きっての政策通なので無視は出来ないのでしょう。同調者が増えるといいんですが。

投稿: HOME-(ほめ・く) | 2014/02/15 07:44

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