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2014/02/15

太郎の屋根に雪ふりつむ

三好達治「雪」
太郎をねむらせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。
二郎をねむらせ、二郎の屋根に雪ふりつむ。

雪というと思い出すのがこの詩だ。豪雪地帯の田舎の情景を描いたものだろう。
2週続けて積雪にみまわれた東京だが、こうした風情は浮かんでこない。交通機関の混乱やスリップ事故に悩まされ、都会にとって雪は邪魔者でしかない。
週末で良かったというサラリーマンの声もあるが、休日も仕事の人はさぞかし大変だろう。
隠居にとっては、予定していた落語会に行けなかったという程度の被害であるが。

雪に因んだ詩といえば、もう一つ。

中原中也「汚れつちまった悲しみに……」
汚れつちまつた悲しみに
今日も小雪の降りかかる
汚れつちまつた悲しみに
今日も風さへ吹きすぎる

汚れつちまつた悲しみは
たとへば狐の革裘
汚れつちまつた悲しみは
小雪のかかつてちぢこまる

汚れつちまつた悲しみは
なにのぞむなくねがふなく
汚れつちまつた悲しみは
倦怠のうちに死を夢む

汚れつちまつた悲しみに
いたいたしくも怖気づき
汚れつちまつた悲しみに
なすところもなく日は暮れる……

”汚れちまった悲しみ”なんて、とっくの昔に何処かへ行ってしまった。青春の思い出と共に。

青春といえば、若い頃にこんな言葉遊びが流行っていたっけ。
You might or more head today's some fish.
「言うまいと思えど今日の寒さかな」
オリジナルは「言うまいと思えど今日の暑さかな」という俳句で、有名だが作者不詳のようだ。
家族の中で隠居の部屋だけ暖房器具が無いので、寒さは堪えるのだ。

Oh, my march march care no thought.
「お前待ち待ち蚊帳の外」、落語の「愛宕山」などでお馴染みの「こちゃえ節」の一節だ。
中学生の時に、近所に住む英語が出来るというオジサンにこの問題を出したら、3日考えたが分からず降参した。正解を言ったら「純粋であるべき中学生が何たることだ」と酷く怒られてしまった。これだから洒落の分からない大人は困る。

とりとめのない事ばかりで、ご退屈さま。

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コメント

私はthink but  today's hotfishでした。

佐平次様
語呂合わせより文法重視だったんですね。
To be to be ten made to be.
「飛べ飛べ天まで飛べ」とか色々ありました。

三好達治「測量船」は名詩集ですね。

ご紹介の「雪」もそうですが、
クラシックとモダンが融合し、詩にとって大切な韻律があると感じます。

福様
三好達治の場合、やはりボードレールから漢詩に至る広い素養の裏付けがあるからでしょうか。かつては詩のいくつか暗誦していたのですが、すっかり忘れてしまいました。

>そこが特長でもあり人気の秘訣でもあるのだろうが、一歩間違えるとアザトサにもなる。
作品派の洗練が文楽、円生で極点に達した今、
現代の落語家たちが共通して抱える課題だと思っております。

やたら時事問題を差し挟む系統。
噺のある場面や登場人物にウエイトを置いて演じる系統。
様々な個性があろうかと思いますが、
どうヒネリを利かすか、に賭けている感はありますね。

福様
なぜ昨今の演者がヒネリが必要かというと、一つは演者の力量が足りないので作品をそのまま演じられない。もう一つは今の客がヒネリの入った高座を求める傾向が強い。そのいずれか、或いはその両方かと思われます。
一之輔を見ていて、このままで行くとやがてどこかで行き詰るのではとという危惧も感じています。

すみません、書き込む欄を間違えてしまいました。

ヒネリが必要な理由の前半・・・
もしもそうなら、困ったことですね。

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