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2014/02/17

「口パク」マシーン

近くに住む娘が訪ねてきて、百田尚樹の著書を読んでいたが一連の発言で呆れ、あんな人間だと思わなかった。もう百田の本は読まないと言っていた。ああ、その方がいい。
その娘から借りた西原理恵子「できるかな ゴーゴー!」を眺めていたら、こんな事が書かれていた。
西原のタニマチである高須クリニック・高須克弥が中国の学会で歌を披露しなくてはならない羽目になった。ところが高須は大のオンチで自信がなく悩んでいた。西原がカラオケに連れ出し特訓するが上手くならない。そこでエイベックス社に頼み込んだら、歌が上手に聴こえる装置があるとか。仕組みは明らかでないが、どうやら何度も何度も歌を録音し、その良い所だけをつなぎ合せる仕掛けのようだ。もちろんレコーディングの前にはプロから歌唱指導を受ける。その結果見違えるような出来栄えの録音ができた。
高須はそれを持参し、会場で録音を流しながら口パクで歌って拍手を浴びたとある。
なにせサイバラが書いたものだから多少の誇張はあろうが、大筋ではこの通りなのだろう。
どこのレコード会社でも同様のマシンが使われているのだろう。

近ごろ歌手の口パクがしばしば話題になるが、ナルホド、そういうことか。デジタル技術を駆使して素敵な歌声でレコーディングして発売するのは良いが、ナマで歌うと再現ができないのだ。そこで録音を流し歌手はマイクの前で口パクで歌わざるを得ない。
多くの歌謡番組でこうした手法が使われているし、歌手によってはライブでも口パクがあるらしい。なんのことはない、ナマを聴きに行ったのに録音を聴かされるわけだ。
クラシック音楽の世界ではさすがに口パクは無いようだが、ライブ録音として発売されているものの多くは看板に偽りありというのが実態らしい。リハーサルの時から何度も録音を重ね、これにライブでの録音をつないでゆく手法が一般的だとか。完全なライブ録音はアナログ時代のものしかないと言われている。
スタジオ録音については言うまでもなかろう。

デジタル録音技術が進めば進むほど「変曲」や「変声」が横行し、リアルな音から遠ざかって行く。
それは音楽の世界にとり望ましいことなのか。
ホンモノの音を聴こうと思うなら、マイクを一切使わない歌唱や演奏に接するしかない。そうなると日本の古典芸能かクラシック音楽のライブしかなさそうだ。

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コメント

落語の面白さはそこにありますね。

佐平次様
近ごろは演劇でもマイクを使うケースが増えました。落語もマイクなしで聴ける小さな小屋が理想的なんですが。

わたいはマイクを通した芝居や落語でも「生」から一段落ちたと思ってしまうのですが・・・。
テクノロジーの発達は、ライブならざるライブも可能にしてしまうのですね。
マイクのなかった時代の舞台を見たい、とよく思います。

老父(1931年生)が以前『永遠の0』に感動して人に薦めまくっていました。
「原発と同じで騙されることも罪」だと言ってやっていますが・・・。
とにかく世界的な知名度を得た?百田大先生ですが、この期に及んで読者達はなおもついて行くのか、気になっています。

明彦様
大きな劇場でもオペラなどクラシックや歌舞伎はマイクを使わないのですから、他の芸能も見習って欲しいところです。
百田は「9条を守るという連中は戦場に送れ」と言ってるそうですが、実際に戦場に行かされるのは喝采している若者たちです。それも他国の戦場に。その辺りの現実感に欠けているのでしょう。

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