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2014/03/16

#13らくご古金亭(2014/3/15)

「第十三回 らくご古金亭」
日時:2014年3月15日(土)17:30
場所:湯島天神参集殿1階ホール
<  番組  >
前座・金原亭駒松「道灌」
金原亭馬治「お血脈」
桃月庵白酒「喧嘩長屋」
ゲスト・三遊亭遊雀「干物箱」
金原亭馬生「つづら」
~仲入り~
ゲスト・古今亭志ん橋「厳流島」
五街道雲助「お若伊之助」

家を出る前に思い出して、そうか、今日の会場は湯島天神か。湯島といえば梅、きっと満開だろうとカメラを持って行った。
下の写真のように満開でした。
1
2
3
4

数ある落語会の中でもこの「らくご古金亭」ほど明確なコンセプトを持つものは他にあるまい。
演目を5代目志ん生と10代目馬生の二人が高座にかけたネタだけを演じる。もう一つは当代馬生一門と雲助一門だけをレギュラーとして毎回ゲストを呼ぶという趣向。よほどプロヂューサーがしっかりしているだろう。
この日の出し物でいえば「厳流島」と「お若伊之助」が志ん生の、「お血脈」「喧嘩長屋」「干物箱」と「つづら」が馬生のネタだ。
客のマナーが良いのも主催者がしっかりしているせいだろう。

馬治「お血脈」
後から上がった白酒が時間が短すぎると文句を言っていたが、確かにこの噺は本筋だけなら5分もあれば終わってしまう。色々なギャグを詰め込んでいかないと時間が稼げないし、またギャグの面白さで勝負するネタでもある。馬冶は龍玉を伴って善光寺に行った話や、正雀に「七段目」の稽古をつけて貰った話などを織り込みながら彼らの物真似をするのだが、これが面白いほど似てないのがご愛嬌だった。
白酒「喧嘩長屋」
前が短く、後の志ん橋がまだ楽屋入りしてないというので師匠の大臣賞受賞の話題などで時間を延ばしていた。その奮闘ぶりが客席からもよく分かった。ネタは先日聴いたばかりだが、上方では口演記録はあるものの大師匠が高座に掛けていたことはこの日初めて知った。
演出については白酒が相当に手を入れて先人の高座とは違った形にしていると思われる。特に発端となる最初の夫婦喧嘩にリアリティがあり、聴いていて思わずニヤッとしてしまう。
遊雀「干物箱」
志ん橋の楽屋入りが遅れていたので予定を入れ替え遊雀が先に上がる。芸協の人がこの会に出るのは珍しい。もっとも元落協ではあるが。
遊雀の演出は銀之助の身代りに貸本屋の善公が2階に上がってからが長め。若旦那が吉原に行く時の人力車や先方での花魁とのイチャツキを想像して騒ぐ。その代りに部屋の抽斗から花魁からの手紙を見つけ読みあげる場面はカットしていた。特に親父の息子に対する情愛を強く感じさせた一席。
馬生「つづら」
艶笑噺の部類に入るだろう。
男が博打で30両の借金を作り金策に走りまわるが工面がつかない。見かねた女房が台所用具を詰めたつづらを近所の質屋に持ち込み30両貸してと頼むと、事情をきいた質屋の主が貸してくれる。3年間前に女房を亡くし寂しい思いをしていたこの主人、結局は女房と深い仲になってしまう。
この噂を聞きつけた男は留守を装い質屋の主が家に上がった所を踏み込むが、女房は咄嗟に主をつづらに隠してしまう。それを察した男はつづらを背負い質屋にやってきて番頭の100両出せという。番頭は断るが、後から来た女房が中に主が入っていると耳打ちすると、慌てて100両を出す。
サゲは先代馬生のものと変えていた。
以前聴いた雲助の高座に比べアイロニーは薄れていたが、当代馬生らしい色っぽい高座だった。
志ん橋「厳流島」
遅れた理由がこの人らしく、境内の梅を眺めていて時間が過ぎてしまったとのこと。
この人の独特の節回しが心地よい。
雲助「お若伊之助」
元の噺は「因果塚由来」といい、「円朝全集」に速記が掲載されていることから三遊亭円朝作の長編人情噺とされているようだが、圓朝を含め口演記録が残っていないそうだ。「お若伊之助」はその発端とされていて、こちらは圓生、志ん生、志ん朝らの大看板が手掛け録音も残されている。
志ん朝譲りと言おうか、雲助の演じる鳶頭の初五郎の江戸っ子らしい粗忽ぶりの造形が見事で、何度聴いても飽きない。

最後は雲助の「芸術選奨・文部科学大臣賞」受賞のお祝いの手締めで目出度くお開き。

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コメント

好い落語会でしたね、行きたかったなあ。

わぁ!いらっしゃったのですね!
。゜*。(*' θ' )。*゜。
 
白梅、紅梅、薄紅色の梅に境内は梅の香りに包まれて、満ち足りた気持ちで帰路に着きました。

佐平次様
満開の梅を観て充実した落語会に、いう事なしです。

林檎様
ここの所毎回出席しています。この会は何より雰囲気がいいですね。観梅も結構でした。

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