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2014/03/02

「喬太郎・一之輔 二人会」(2014/3/1)

「IMAホール落語会『喬太郎・一之輔 二人会』」
日時:2014年3月1日(土)14時
会場:光が丘IMAホール
<  番組  >
柳家喬の字『浮世床(夢)』
柳家喬太郎『時そば』
春風亭一之輔『花見の仇討』
~仲入り~
春風亭一之輔『新聞記事』
柳家喬太郎『真景累ヶ淵より「宗悦殺し」』

光が丘の落語会、一昔前なら行くことはなかっただろうが、大江戸線ができてから便利になった。年2回定期的に開かれているようだ。00年代を代表する喬太郎と10年代を代表する一之輔の顔合わせとあって満席だったようだ。

一之輔がマクラで「これは一之輔独自の演出で、なんて書いてる人がいるが(・・この間の言葉はカット・・)こっちは教えられた通りに演ってるんだ」と言っていたが、教えられた通りに演っていたらこれ程に人気が出なかっただろう。手元に二ツ目当時の一之輔の「茶の湯」のラジオ放送録音があり、当時はごく普通の演出だった。その後なんどか聴いているが比べると大きく変えており、いかに彼が苦労しながらネタを練ってきたかが分かる。本人も十分に分かっている筈だ。
そうじゃなくて、自分の高座についてあれこれ批評されるのが嫌なんだろう。
落語家の中には高座から「色々書く人はみな知ってる。今日はあそことあそことここにいる」なんて言う人もいる位だからね。
自分たちは生活を賭けて日々高座に上がっている。それをド素人からあれこれ言われたくないというのが本音だろう。気持ちはわかりますよ。
でも公演として行っている以上、批評されるのは当たり前だという事は覚悟せねばならない。以前ならその批評が公表されるのはいわゆる芸能評論家の手によるものだけだった。評論家は専門知識を持っているので内容は正確かも知れない。しかし落語家と評論家とはいわば同じ業界の人どうし。お互い持ちつ持たれつの間柄のせいか、彼らの評論は概して甘い。辛口の批評はめったにお目にかかれない。それも分かりますよ。ヨイショしておかなくては取材対象に接近できないもの。
落語会を企画したり主催したりしようと思えば噺家と良好な関係を築いておかねばならない。
だから人気者やキャリアのある落語家は批判されることに馴れていないのだろう。
私が芸能評論家や記者が書いたものや、落語関係の雑誌を読まないのはそのせいだ。
あくまで客の一人としての個人的な感想で、面白ければ面白いと書き、つまらなければつまらないと書く。その際に、どこが良くてどこが悪かったのかという感想を書き添えることがある。それだけの話だ。
参考にして貰いたいなどという自惚れは一切ない。
価値がないと思えば無視すればいい。

喬太郎の2席目『真景累ヶ淵より「宗悦殺し」』、ご存知三遊亭圓朝の代表作でその発端。
師走に鍼医の皆川宗悦は,小日向服部坂に住む小普請組・深見新左衛門宅へ借金の取り立てに行く。金を返さぬばかりか悪口をたれる深見新左衛門と宗悦との間が言い争いになり、激昂した新左衛門が誤って宗悦を斬り殺してしまう。死骸は家来の三右衛門に捨てさせ三右衛門は故郷の羽生へ帰る
その現場を見た新左衛門の妻はショックで気鬱になり病の床に。
翌年、新左衛門はお熊を仲働きに採用するが,二人は深い間柄になる。こうした状況に呆れた長男・新五郎は家を出る。次男の新吉はまだ赤子。
宗悦を殺したちょうど1年後に妻の療治のために呼んだ流しの按摩が宗悦の姿に変わる。新左衛門が思わず斬りつけると,宗悦ではなく妻を斬り殺してしまう。
宗悦には志賀とお園という二人の娘が残され、それに新左衛門の息子である新五郎と新吉が複雑な因縁でからみあい、物語が展開してゆく。
喬太郎は語りがしっかりしているので、こうしたネタでも引き込まれる。
この人の『真景累ヶ淵』の中では『宗悦殺し』しか聴いたことがないが、これ以外は演じているのだろうか。是非、機会があったら通しで演じて欲しい。
かつて喬太郎は横浜にぎわい座で『牡丹灯籠』を通しで演ったことがあり、この人なら出来るはずだ。全編が無理ならせめて発端から『聖天山』迄でも。

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寄席・落語」カテゴリの記事

コメント

くどくど、「落語は肩の力を抜いて楽しむものでメモなんて取らないで」という人もいます。
大きなお世話だ、メモを取るのも楽しみなんだから(忘れっぽい年寄りには)。

投稿: 佐平次 | 2014/03/02 11:00

おや、練馬でしたか。
この会にも食指が動いたのですが、渋谷を選んでしまいました。
一之輔は、私の顔を覚えているのかなぁ^^
談春が場内を暗くするのは、たぶんにメモを取らせないためでしょうね。
喬太郎の円朝もの、今年は何とか聴きたいと思っているんですが、果たして縁があるかどうか。

投稿: 小言幸兵衛 | 2014/03/02 11:25

佐平次様
私も周囲のお客には気を使いますが噺家にはあまり気を使わないですね。公演の妨げにならなければ問題ないと思いますが。
やっぱり批評されるのが嫌なんでしょう。

投稿: HOME-(ほめ・く) | 2014/03/02 11:55

小言幸兵衛様
喬太郎の『宗悦殺し』はよく当たるんですが、他は聴いたことがないんです。
4月には「船徳」をネタ下ろしするようなので楽しみにしています。
私は口演中にはメモを取らないようにしているので演者は気にはならないと思いますよ。
素人のブログなぞ読まなきゃいいのに。

投稿: HOME-(ほめ・く) | 2014/03/02 12:05

わたしも『真景累ヶ淵』を通しで聴きたいです。
(喬太郎さんの古典、特にダークな噺が好きで、歌舞伎の『真景累ヶ淵』は芝翫と勘九郎と福助版が好きでした。)
こちらの会場は初めてでしたが、噺の最中に(開口一番の後も)座席に着く方が多くいらしたのが気になりました。
(x_x;)

投稿: 林檎 | 2014/03/03 05:22

林檎様
いらしてたんですか。今度会場で人相の悪い爺さんを見たら、それが私です。そう言ったら、ホントに声を掛けて来た人がいてビックリしましたけど。
喬太郎、期待しましょう。『牡丹灯籠』の時は合計5時間を2回に分けて演じてましたが、ああいうのが良いですね。

投稿: HOME-(ほめ・く) | 2014/03/03 11:26

残念ながら『牡丹灯籠“お札はがし”』しか聴いた事がありません。(>_<。)。
昨日は“池袋早春譜”の話の中で「喬太郎は新作をやってればいいんだ」と言う方もいるようで、少しお怒りのご様子でした。一昨日は古典で、昨日は新作の『池袋早春譜』と『按摩の炬燵』と週末は喬太郎祭でした。
『時そば』聴くたびに、コロッケ蕎麦が気になります…。
:.゜(*' Д' *)゜.:。

投稿: 林檎 | 2014/03/03 21:45

林檎様
喬太郎のように古典と新作を両立させながら、そのどちらも1級品という落語家は僅かしかいません。
『按摩の炬燵』は大好きです。師匠を遥かに超えていると思います。

投稿: HOME-(ほめ・く) | 2014/03/03 23:35

客席でメモしていることについては、ササッと書くだけだから許して欲しいと思っております。

投稿: シネマおばちゃん | 2014/03/08 10:00

シネマおばちゃん様
要は演者や観客の妨げにならなければ良いという事でしょう。それよりイビキや隣同士の会話、買い物袋のガザガザ音の方が余計に気になります。

投稿: HOME-(ほめ・く) | 2014/03/08 12:44

私も私語(特に解説する人)が気になります。出来れば私語を控えるようにアナウンスをして欲しいです。
また噺を知っていて、笑いどころも分かっていて、その台詞を待ってましたとばかりに大声で笑ったり拍手する人が必ずいますが、気になって笑いにのれないし噺にも入っていけません。歌舞伎でいう大向こうのようなものなのでしょうか。
どちらも寄席なら多少は仕方がないと思うのですが独演会では気になります、、、。

投稿: フラニー | 2014/03/10 06:18

フラニー様
死後は注意できますが、笑いは難しいでしょうね。確かに近くにばか笑いする人がいるとシラケテしまいますが、笑うな、と注意できませんから(談志は高座から「笑わんで下さい!」と一喝したことがあるそうです)。
観客のマナーの問題については後日記事にする予定です。

投稿: HOME-(ほめ・く) | 2014/03/10 18:52

実は昨日、小三治独演会の最前列を取ったのに二列目の中年夫婦?の私語(マクラからネタまでずっと説明)が続き、仲入り後に(注意を受けたらしく)小声にはなりましたが、不機嫌に空席を使い寝そべった態度でカタカタと貧乏揺すり、挙げ句に時計の電子音、我先にと大袈裟に笑ったり拍手したり、本当に最悪だったので、、、。
自問の為にも観客のマナーの記事、お待ちしています。
つまらないのに、「笑って下さい!」という人は多いのに、「笑わんで下さい!」と一喝したなんて談志らしいです。

投稿: フラニー | 2014/03/10 20:30

フラニー様
災難としか言い様がないですね。指定席じゃ席替えも出来ないし逃げ場がありませんから。
こういう人はマナー以前の問題でしょう。

投稿: HOME-(ほめ・く) | 2014/03/11 10:23

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