フォト
2024年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
無料ブログはココログ

« 武田薬品の臨床試験「捏造」疑惑 | トップページ | 「阪神タイガース」これじゃAクラスも危ない »

2014/03/08

「喜多八・白酒 二人会」(2014/3/7)

「第28回新宿亭砥寄席『喜多八・白酒 二人会』」
日時:2004年3月7日(金)19時
会場:新宿文化センター小ホール
<  番組  >
前座・柳家緑太『狸札』
桃月庵白酒『喧嘩長屋』
柳家喜多八『片棒』
~仲入り~
柳家喜多八『短命(長命)』
桃月庵白酒『今戸の狐』

3月も半ばに差しかかるというのに寒い。こういう時期はネタを選ぶのに苦労すると白酒が言ってたがその通りだろう。弥生だから冬のネタというわけにもいかず、さりとてこう寒いと花見の噺もしにくい。
この会場は初めてだったがあまり足弁が良いとは言えない。床がフラッとなのでアタシは通路側だったから良かったが高座が見えにくい人もいたのでは。折り畳み椅子で出囃子はテープだったし全体にチープな印象だ。
この日の二人は揃って自転車通勤スタイル、これで楽屋に弁当が出ればアゴアシがタダ。エコノミカル!

白酒がマクラで言ってたが、かつては落語を聴くのに前売りなんて珍しかった。志ん朝や談志の都内での独演会を除けばどこでも当日に入れた。国立演芸場に米朝が来たときも当日で、自由席だったから最前列で観られた。今から考えるとウソのような話だが。
全席指定の前売りなんてぇのが一般化しだしたのは2000年以後ではあるまいか。
エンターテイメントの一分野として見做されてきたのではと白酒が言ってたが、そういう事かも知れない。

プログラムでは喜多八がトリということだったが、本人が早く帰りたいという事で急きょ白酒がトリとなった。
白酒の1席目『喧嘩長屋』は、ある長屋でツマラナイことから夫婦喧嘩から始まり、どんどん長屋に喧嘩が拡がる。ついには石原慎太郎やプーチン、習近平まで出てくる始末。あまりの騒ぎに隣の男が訪ねてみると、「満員御礼」の札が下がっていた。初見。
古典のようだが寄席には掛からない珍しい噺らしい。喜多八がリクエストしたとのこと。
喧嘩の殴り合いだけが見せ場で、白酒の力技が見もの。
喜多八の1席目『片棒』、木遣りや祭り囃しは短めにして、人物描写に重点を置いた喜多八風の演出。喜多八のこのネタは初めてだが、何を演らせても上手い。
喜多八の2席目『短命(長命)』はもう十八番と言ってもいいだろう。
この日はマクラで『長命丸』の小咄を入れていた。典型的なバレ噺だ。
両国に「四つ目屋」という店がありここでは「長命丸」という薬を売っていた。強精剤ですね。事情を知らない田舎者が訪れ、長生きが出来る薬と早合点している。どう使うのかと店員に訊くと、これは塗り薬であなたのセガレの頭に塗ると効くと説明する。男は故郷に帰り、勘違いして自分の息子の頭に塗ってしまう。夜中、父と息子が並んで寝ていると何故か息子だけがムックリ起き出した。
本題の『短命(長命)』では例によって後半はパントマイム、手振り身振りだけで「短命」になる理由を説明。クスっと笑える艶笑噺。
白酒『今戸の狐』、これも十八番と言っていいだろう。あらかじめサイコロ賭博の「狐」の解説や、サイコロの事を「コツ」千住のことを「コツ」と称していたなどの解説を丁寧にしておくので、ストーリーが大変分かり易い。このネタに関しては志ん朝より白酒の方が上だと思っている。

寒さを吹き飛ばす4席、結構でした。

« 武田薬品の臨床試験「捏造」疑惑 | トップページ | 「阪神タイガース」これじゃAクラスも危ない »

寄席・落語」カテゴリの記事

コメント

いつも、楽しく拝見している、ブログ主さまと、同じ会場で落語を堪能していたとは!
喜多八殿下、初見でしたが、流石とうならされました。確かに寒さを吹きとばす4席でございました。

あら、いらっしゃいましたか!
我々の居残り会では、可楽の弟子の名を円楽にしていたことが酒の肴になって、盛り上がりました。
私は、全体の出来栄えの良さから今年のマイベスト十席候補にしました。
白酒の二席、どちらも大いに楽しめました。
会場の環境は、いろいろ言いたいこともありますが、手作り感の良さを買いたいとも思っています。

文彦様
ご一緒でしたか。楽しい会でした。
喜多八はかったるそうに出て来て無愛想にお辞儀し、しかし噺に入ると俄然熱演に変わります。そのギャップが面白い。典型的な観る落語家ですね。

小言幸兵衛様
オヤオヤ、3巨頭ご来席でしたか。
白酒の『今戸の狐』は何度か聴いていますが、今回はそれほど良い出来ではなかったように思いました。志ん朝より上は、褒め過ぎましたか。圓楽(もちろん当代)の名も以前から使っていて、白酒の「笑点」イジリの一つです。
私は喜多八の『片棒』が印象に残りました。

ヒカリエホール等、フラットな席やパイプ椅子が多い会場は、噺に集中出来ないと疲れが気になってしまいます。(>_<。)。
*  *  *  *  *
噺を選ぶ苦労もあるのですね。冬が半年近くあると、春の噺を聴く機会があっという間に終わってしまいそうです。

林檎様
少人数の小さな会場なら仕方ありませんが、今回のような200人規模の会場では高座の見易さや座り心地がある程度求められると思います。
白酒には『花見の仇討』などの春のネタを期待していたんですが、その点は残念でした。

いろんな人がそれと知らずに同席して同じ笑いを笑う、いいですね。

佐平次様
正にその通りで、しかも笑いのツボが一人ひとり違う。そこが落語の楽しさです。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「喜多八・白酒 二人会」(2014/3/7):

« 武田薬品の臨床試験「捏造」疑惑 | トップページ | 「阪神タイガース」これじゃAクラスも危ない »