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2014/03/26

新宿末広亭3月下席・中日(2014/3/25)

前座・古今亭今いち『新聞記事』
<  番組  >
春雨や雷太『元犬』
江戸家まねき猫『動物ものまね』
古今亭今輔『だまされたふり作戦』
桂右團治『徂徠豆腐』
北見マキ『奇術』
三遊亭遊馬『牛ほめ(序)』
春風亭柳好『壺算』
桧山うめ吉『俗曲』
柳亭楽輔『粗忽長屋』
三遊亭圓輔『火焔太鼓』
~仲入り~
桂宮治『うそつき村(序)』
コント青年団『コント』
桂伸治『棒鱈』
桂歌春『短命』
ボンボンブラザース『曲芸』
三遊亭栄馬『紺屋高尾』

一気に春めいた3月25日、当初は落語協会新真打披露が行われている鈴本へ行こうと思っていたが、顔づけをみてなんとなく食指が動かず、期待の若手が揃った芸協の新宿末広亭に向かってしまった。
この小屋も昼夜入れ替えナシで長時間聴きたい人には便利だが、この日だと夜席の仲入りで退場する人が目立った。鈴本では先ず見られない光景で、後半の出番の芸人には気の毒だった。寄席の帰りに一杯呑るとか食事を取るとかいう人には仲入りで出た方が便利だろうが、できれば最後まで聴いていて欲しい。

例によって寸評。
雷太『元犬』、母親が「まっち」のファンで倅が「らいた」の自己紹介はよく出来ている。一度で名前を憶えてしまった。
まねき猫、『動物ものまね』と言いながらニワトリだけですかい。
今輔『だまされたふり作戦』、オレオレ詐欺を逆手にとり騙されたフリをして犯人をからかうという新作。切れがある。
右團治、この位置で『徂徠豆腐』を掛ける了見がいいじゃありませんか。短縮版ながらよくまとまっていた。女流です。
北見マキ『奇術』、あの両方の親指を客に紐で縛らせておいて、マイクスタンドを通すというマジック、あれってどんなタネがあるんだろう。いつ見ても分からない。
遊馬『牛ほめ(序)』、与太郎の造形がいい。将来に期待を抱かせる人材だ。
柳好『壺算』、短縮版ながらツボを外さないのはさすがだ。
うめ吉『俗曲』、自毛で結った日本髪の寄席芸人というのは今やこの人だけではなかろうか。音曲師としては声が細いのが気になるのだが。
楽輔『粗忽長屋』、愛嬌のある高座で、この日一番面白かった。八が自己のアイディンティテーを喪失する過程が良く出来ていた。
圓輔『火焔太鼓』、電車で席を譲ったら自分より年下だったと言っていたが、とても82歳には見えない。まだまだ子供の2,3人も作れそう。弟子入りは3代目三木助だったんだ。
宮治『うそつき村(序)』、長いマクラでネタは5分ほど。クイツキだから仕方ないのかも知れないが、先輩真打がきちんとネタを演じているのに。せっかくのお目当てだったが残念な高座。
コント青年団『コント』、歴史を知らない教師と歴史オタクの生徒とのコント。こういう高座が楽しめるのが芸協の魅力だ。
伸治『棒鱈』、顔を見ただけで笑える噺家というのが近ごろ少なくなった。そういう意味で貴重な存在。
歌春『短命』、知名度は高いが、どうもこの人の高座はピンと来ない。相性かなぁ。
ボンボンブラザース『曲芸』、ヒゲのオジサンの顔を見るだけで心が和む。大好きなコンビ。
栄馬『紺屋高尾』、「恵まれない落語家の会」という自虐ネタが面白かった。紺屋の職人が高尾に会いに行く前に湯で洗ったあと、爪を鶯の糞で洗って藍染を落とすというのは丁寧な描写だ。後に高尾に身分を明かす時にその爪先を見せて藍が付いていることを示す伏線になっている。こういう所が大事だ。

活きのいい若手と渋いベテランの芸に色物が華を添えた下席の中日だった。

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コメント

芸協の定席、全体的に“当たり”だったようですね。
宮治を除いてベテラン達のネタ選びが、やる気を感じさせます。
落語協会の根岸の兄弟の出る芝居に比べると、もはや末広亭の席亭が苦言を呈する先は違うようにも思います。
そうか、あの刺激が効いたということかもしれませんね。

小言幸兵衛様
演者のヤル気を感じさせてくれました。ただ平日の夜の部ということか、客の入りはあまり良くなかった。それと仲入りで大勢が退場してしまったのが残念でした。

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