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2014/03/23

#355下町中ノ郷寄席(2014/3/22)

「第355回 下町中ノ郷寄席」
日時:2014年3月22日18時30分
会場:中ノ郷信用組合本店4Fホール
<  番組  >
雷門音助『子ほめ』
三遊亭夢吉『佐野山』
~仲入り~
橘家文左衛門『笠碁』『目薬』

いま地域寄席というのはどの位の数があるんだろう。僅かな経験しかないが「ツばなれ(十数名)」の規模から200人、300人といた規模まで大小さまざまだ。常連の多いのが特長で、あまり小規模の会に行くと周囲が妙に気をつかってくれて却って居心地の悪いことがある。
会場は本所吾妻橋駅から歩いて5分、目の前にライトアプしたスカイツリーが見える。
今回初めて伺った「中ノ郷寄席」は100数十名の入りだっただろうか、地域寄席としては規模が大きい。それより355回という開催回数に驚く。月1回の定例のようだがもう30年近く続いているわけだ。よほど主催者(下町中ノ郷寄席同好会)がしっかりしていて、贔屓のお客さんが多いのだろう。
場内は顔見知りがほとんどのようで、あちこちで挨拶が交わされていた
出演者は前座、二ツ目、真打各1名という構成で、回によっては色物が加わることもあるようだ。今回は芸協から前座と二ツ目(二人とも初見)、落協から中堅真打という顔づけ。文左衛門の『笠碁』だけがネタ出しされていた。

音助『子ほめ』、声が明るく言葉がはっきりしていて良い。雷門といえば東京・名古屋・岡山にまたがる名跡だが、現在は東京で3人しかいない。ぜひ名跡を絶やさぬよう頑張って欲しい。
夢吉『佐野山』、先ずは声が大きく明るいのが良い、存在だけで周囲が明るくなるというのは芸人にとりとても大切な素質だ。何となくオカシイという「ふら」もある。
「学校寄席」をマクラに振っていたが、落語家はこのネタが好きだねぇ。あれ、ネタにしたくて学校寄席に行ってんじゃないかと思うほどだ。相撲が好きだと言って本題へ。
谷風と佐野山の取り組みが千秋楽結びの一番としなかったのと、佐野山が土俵上で涙をこぼす場面が無かったは故意なのか、言い忘れか。
佐野山への祝儀を約束したのは贔屓の個人としていて、後は周囲の客が土俵に身の回りの品を投げ、打ち出し後に祝儀と交換するというのは初めて聴いた。
サゲはなく、この一番で佐野山は引退し、東北巡業で谷風が病に倒れた時に駆けつけ看病して恩返ししたという人情噺に仕立てていた。
こういう演出もありか。
芸はまだまだ粗いが勢いがあり、熱演で客席を沸かせていた。
短いマクラから文左衛門の1席目『笠碁』、目新しさというと店先で碁仇を待つ主人がイライラして奉公人に当たり散らす場面を加えたところか。片方が笠をかぶって雨中を行ったり来たりするのをもう片方が目で追う形は5代目小さん以後の演出を踏んでいる。ただ二人が口喧嘩しながら次第に仲直りし、再び碁を囲むまでのシーンがあっさりしている。権太楼を始め近ごろ流行りの演出なんだろうが、このネタの肝心の部分を薄めているような気がするのは私だけか。
時間があるのでもう一席と、ネタ帳に載ってなかった噺ということで文左衛門の2席目『目薬』、亭主の目が悪いので眼の粉薬を買ってきた女房だが、二人とも字があまり読めない。効能書きに「めじりにつける」とあったのを「女しりにつける」と読み間違えて女房の尻につけていると、くすぐったいので思わず屁をしてしまう。粉薬が飛んで亭主の目に入って「あ、そうか! この薬はこうやってつけるんだ」。
典型的なバレ噺。会場は大受けだった。

機会があれば又来たい。入場料1200円は魅力です。

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コメント

会場に興味あり。
近所を歩いてもいいなあ(未体験ゾーンなのです)。

投稿: 佐平次 | 2014/03/23 10:49

佐平次様
私もこの駅には初めて降りました。吾妻橋といえば落語でもお馴染みですが、周辺はいかにも下町という風情でした。

投稿: HOME-(ほめ・く) | 2014/03/23 11:37

回数の多さに驚きです。
座間の会もなかなか手作り感があって良いのですが、吾妻橋近くの地域落語会、土曜の昼ならそのうちぜひ参加したいものです。
音助は、私も聴いたことがありますが、なかなか良いですよね。
芸協の若手、今後楽しみな人が多いように思います。

投稿: 小言幸兵衛 | 2014/03/23 21:28

「笠碁」
間が大事な(じっくりと客に先を読ませながら語る間ですが、)噺ですね。
威勢のよい文左衛門の個性とは隔たっているので、一種のチャレンジなのか・・・
私が聴いた中では先代馬生が語りに品があってうまかったと思います。寄席ではあまり聴かれないのですが、現在は誰の十八番なんでしょうか。

投稿: 福 | 2014/03/24 06:49

小言幸兵衛様
芸協の若手二人はなかなか良かったです。この会は開催回数でいけば国立名人会に匹敵しているんですから大したもんです。

投稿: HOME-(ほめ・く) | 2014/03/24 08:49

福様
『笠碁』は先代馬生が絶品で、それに続くのが先代小さんです。二人の大店の主人の風格を出すのが難しいネタで、現役ではちょっと思いつきません。

投稿: HOME-(ほめ・く) | 2014/03/24 08:56

久しぶりにお邪魔致しました。
私も先代馬生の『笠碁』が好きでDVDをよく観ています。
昨年5月の紀伊國屋寄席で、白酒が演じていましたが、なかなか良かったと思います。
菅笠を被った時に「あっ、ちょっとハミ出ちゃってるよ」とボソッと言ったのにはハマってしまいました。
体型としては、大店の主人に合ってるかもしれませんね。
大師匠のような品はないかもしれませんが、二人の口喧嘩や店の者に対する言い回し等なかなかいい味が出ていました。

投稿: 二ツ目 | 2014/03/24 21:20

二ツ目様
『笠碁』は馬生の十八番でしたが雲助は確か演らない筈です。白酒は誰から教わったんでしょう、今松ですかね。未見なので是非聴いてみたいです。

投稿: HOME-(ほめ・く) | 2014/03/25 06:14

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